浅野勝義[一級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士]が住宅設計30年100件以上のスキルや経験を、建築や不動産、資金計画など発信しています。バイヤーズエージェントとしても活躍中!

スリットの廊下

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実家の山の木を使って建てた家

現場はかなり進んでいます…
この住まいのリビング上部には吹き抜けがありまして、
ここに面して各部屋に渡る廊下があります。

その廊下の床は、ヒノキの化粧根太になっています。
このスリットの廊下は、二階から階下へ明かりを落とす効果と
上下階での通風を考えて作ったもの。
特に吹き抜けの無い住宅の場合、階段だけで上下階が繋がっていると
冬場は階段で熱交換を起こすので、常に階段から冷気が降りてくる状態
になります。
これを解消するために階段とは異なる場所で上下階の
通風(空気が対流するための隙間)が出来るようにしたものです。
実際に出来上がってこの場所に座ってみると、下からスーっとした
風が吹き抜けてくるのが実感できます。
夏場など、ここで昼寝にはもってこいの場所になること請け合い。
この住まいの場合は十分な空間が上下階で繋がっているので、
スリットの化粧根太は、奥まで明かりを引き込む効果とデザイン性が
主につくりました。
下から見ますと裏側がスリットになっているのが分かりますか?

拡大して見るとこんな感じ。

この化粧根太、よく見ると断面形状は六角形になっています。


下の写真は丁度上下を逆にひっくり返したもの。
沢山本数が必要ですから積み上げています。

コレをはめ込むのが実は大変な作業なんですよ。
ええ、確かに私がそう書いたんですけどね。
実際に加工している大工さんの仕事が大変で。
六角に加工た材料を梁と梁の間に合わせ、
“きつからず、ゆるからず”
のサイズに加工します。
きつければ枠を押し出して他の根太に隙間を作ってしまう。
ゆるければ取り付けた先からすいてくる。
この間の丁度のサイズに少しずつ削るわけです。

サイズが決まると表面を鉋で仕上げます。
荒いもので全体を整えて、次に細かい(薄い鉋屑の出るもの)で
仕上げる。


なんと面倒で手間の掛かる作業な事…
根太ごとの隙間をきっちりにつめてはめ込んでゆきます。
一本ずつ。
これ、すごく綺麗です。

上にある穴からビス止めをして、最後にヒノキで埋め木をして完了。
ちなみにスリットの廊下は長さは、4.1mもあります。
こりゃぁ大変だ。

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