奈良の建築家 浅野勝義の家づくりBLOG

佐川美術館

 
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滋賀県守山市にある佐川美術館へ伺いました。
この建物は、水に浮かぶ二棟の切妻建物がコンセプトで
あろうと見ただけで感じられる建築物です。
ネットで一目見て、「この現物が見たい」と思い、出掛けました。
私のやっている住宅とは違いますが、なんとなく和風が感じられる
でしょ?
だったら行くしかないでしょ。 お近くだし。
到着してまずは外観です。

設計・施工は竹中工務店(’98)


大きな切妻屋根の周りは池になっており、円柱を
周りに配してちょっと神殿風になっています。
池の水面と建物のグランドラインは、ほぼ水平と
なっており、水面と外周通路面との境は御影石を
鋭角にカットして、こぼれる水を排水路に落とし、
その高さのまま外周通路を擦り付けています。
遠くから見ると水面と通路が一体に見えて、あたかも
水面に建物が浮かんでいるように設計されています。
軒の深さ、コンクリート面につけた木目、軟らかい
内装にはコンクリートで出来た冷たい感じをうまく
外す工夫が感じられ、どことなくコンクリートの冷たさ
というより和風感を漂わすイメージがあります。

このコンセプトは建物との間にある連絡通路でも、
水面に浮かんでいるイメージをちゃんと守られています。
建物内部には平山郁夫氏の絵が展示しており、
シルクロードでの絵を展示する中に、ウェグナーの
チャイニーズベンチがさりげなく置いてあり、
そこに座りこんでじっと絵を見ていました。
うーん、落ち着きますね、ここは。
天井は高く、広いのですが、暗さと閉鎖感、
そして【絵】が要素なのでしょうね。
カフェもいい感じです。
ここでもウェグナーのPP203チェアー、落ち着けました。
また、
この建物の敷地内(池の中)には、茶室棟があります。
(樂吉左衞門館)
今回、中に入ることはできませんでしたけど、
この建物は大変美しく調和の取れた外観を持っており、
軒の深さと水面を意識した茶室が見えていました。
その茶室の公開は事前申し込みが必要らしく、すでに
二ヶ月ほど先まで埋まっているとのコト。
そんな人気ですか・・・

この茶室の、その水面下にある樂吉左衞門館へは
美術館本館から水面を下り、展示室へ入ることができます。
(演出が上手いですね)
私的には、この空間が一番すきですね。
暗さ(ホントに暗い)の中にあるチラチラゆれる水面の明りや、
幻想的な照明の明りが心に響きます。
通路ひとつをとっても良かったですね。
展示室に使われている木材(アフリカケヤキ?)は、全て
無垢材の塊でした。
そんなの触っているのは私だけでしたけど。

※写真は実際より明るく加工しています
こんな(暗い)空間の家がつくりたい・・・
果たしてそんな住まい手さん、いるのだろうか?
中は少し怖いくらい暗いですよ。

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