奈良の建築家 浅野勝義の家づくりBLOG

古民家の味わい

 
この記事を書いている人 - WRITER -

古民家住宅が人気のようですね。
確かにこの時の経過を感じさせる雰囲気は、誰でも何かしら
心に響く何かを感じさせてくれます。
私もそうで、今井町や奈良町が好きなのもこれらに共通する
何かがあるのでしょうね。
さて、以前から着手しておりました物件で、今月末に完成予定
の古民家リフォームをご紹介したいと思います。
この住宅は築250年とお聞きしました。
古さも相まって建物に趣があり、上品で、管理の行き届いた
お住いです。

玄関周り


古民家のリフォームを考える上で、一番のポイントは
生活性の向上だと考えます。
実例を挙げると段差の解消、動線の改善、寒さ暑さ対策、
防犯対策、シロアリ、床補強、設備の交換などなど
長い時間、その家族とこの家が共存してきた結果、
現在の自分達の生活に合わせるためにリフォームが
必要になったわけです。
古民家というのは、時間と共に建物が少しずつ変化し、
その変化に合わせて家を補修しています。
そんな建物をリフォームとなると、大変なんですね。
例えば、
古い住宅は床の高さが変わってしまっていますね。
ホラ、部屋の中で妙に低いところがあったりするでしょ?
伝統工法の柱は、石(束石)の上に建っている構造ですので、
荷重の掛かり方で一本ずつ違った下がり方をしています。
測ってみると60ミリや80ミリの差がある、なんてことも
結構あることで、これは時間のなせる業なんです。
この高低差を直すとなると大変です。
柱はジャッキで一本ずつ上げてゆくのですが、その為に
部屋の壁に隙間があちこちに出来てしまいます。
理由は、ゆっくり下がった所に住まい手が修繕を加えて
いきます。その歪んだままの状態で更に修繕を加え・・・
現在の形になったものなんです。
その状態を水平・垂直に戻せばどうなるか。
壁には隙間が出来、建具は全て動かない。敷居鴨居も
手を入れないとダメだし、外壁や屋根もやりかえる
必要が出てきます。
ね、床の水平を直そうとしただけでも、これらの修繕が
発生するんですね。
ほかには『隙間』がありますね。
先程の理由もその1つですが、建具を閉めても古い家は
柱にピッタリ付いていないで隙間があるでしょう?
この隙間は、障子のようなものなら良いのですが、
外部との建具にあるのは辛いですよね。
寒い風が、雨が、虫が入ってきますから。
話によると隙間に雪が積もることもあるようです(笑)
あー、余談が長くなりました。
さて本題の、古民家リフォームの話ですね。
このお住いも、『生活する上の改善』がポイント。
そしてもう一つの重要ポイントは、
『リゾート気分を味わう』でした。
(もちろん耐震性の向上もあります)
ところで、なぜ『リゾート気分を味わう』なのか?
リゾートってナニ? ですよね。
その理由は、この住まいに居住していないことと、
ここを特別な空間にして愉しみたいという理由から。
例えば大好きな旅館のような・・・
そんなところがあったら良いと思いません?
快適に休日を愉しむことのできる場所にする。
そんな目的で、この古民家リフォームが始まりました。
余談が長くなりすぎてしまいました。
この後の楽しい(?)話は次回に。

この記事を書いている人 - WRITER -