浅野勝義[一級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士]が住宅設計30年100件以上のスキルや経験を、建築や不動産、資金計画など発信しています。バイヤーズエージェントとしても活躍中!

新薬師寺

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華厳宗 新薬師寺

■ 所在地 奈良県奈良市高畑福井町1352
■ 本尊 薬師如来像(国宝)
■ 創建年 747年建立
■ 開基 光明皇后剌願
■ 電話番号 0742-22-3736
■ 拝観料 600円
■ 駐車場 有(無料4-5台)

かつては4町4方の境内の広さを誇り、南都十大寺の一つと 謳われていたこの新薬師寺は、今はのどかな高畑の町並みの 中にあります。
※4町4方とは440㍍四方

奈良時代の創建当時からある本堂(1250年前の明記あり)は、 桜や萩が有名で、たくさんの方に親しまれています。

新薬師寺は天平19年(747)に、聖武天皇の眼病平癒祈願のため、 光明皇后の発願によって創建されました。 新薬師寺の、「新」とは、”新しい”のではなく、”あらたかな” (霊験あらたかな)薬師寺という意味だそうです。

当時、七堂伽藍(南大門・中門・金堂・講堂・食堂・鐘楼・鼓楼・ 三面僧房・東西両塔)を誇っていた新薬師寺ですが、780年に 西塔落雷の火が金堂・講堂に延焼。 続いて962年の台風で 復興された金堂以下多くの堂が倒壊。 現在のようになったと伝えられています。

現在ある本堂は当時の食堂であり、これを本堂としています。
※2008年、奈良教育大学の校舎改築に伴う発掘調査が行われ、 同大学構内で新薬師寺金堂跡とみられる大型建物跡が検出された。 同年10月23日の奈良教育大学の発表によると、検出された建物跡 は基壇の規模が正面54メートル、奥行27メートルと推定され、 基壇を構成していたと思われる板状の凝灰岩や、柱の礎石を支え ていたとみられる、石を敷き詰めた遺構などが出土しました。

 

本堂(国宝)



本堂(国宝)の建物は、入母屋造りで裳腰はなし。 当時はそう重要な建物ではなかったのでしょうか。

本瓦葺き。屋根の外観は古い瓦の色合いが美しい。

本堂正面



建物正面は7間間口。
その7間のうち、中央部3間を戸口とし、 その左右の2間は壁としています。
柱間は中央部が広く、建物を大きく見せる効果を取り入れて います。

本堂側面



側面は5間、中央に戸口を設けていて窓はありません。
東面妻側柱間の中央部にステンドグラスがはめ込まれています。
内部へ入るとこの光が堂の奥正面(東側)に映り、瑠璃光が射して いるかのような演出になっています。
薬師如来が東方瑠璃光浄土におられることからなのでしょうか。

本堂東面のステンドグラス



内部の空間は大きく、合掌で組まれており、国内最大。 床は土間仕上げ。
天井を張らずに垂木などの構造材を見せる 化粧屋根裏になっています。
内部の基壇には正面に2メートルに及ぶ薬師如来座像。 そして薬師如来を円形に警護するかのごとく十二神将がいます。

薬師如来は榧(かや)の木肌がそのまま感じられ、左手に薬壷を 持つ姿ですが、その圧倒的な存在感は、グッとこちらに近づいて 来るかのようなその姿勢と、大きく見開いたその眼にあります。

じっと見ていると自分の心を見通されている感があり、思わず 目を逸らしてしまいそうになるのは私だけでしょうか。
眼病平癒のために建立されたことを実感させられる如来様です。

薬師如来を守るべくその眷属としての十二神将。

全体として見て全く違和感のないものですが、実はこの十二神将、 近隣の廃寺である岩淵寺から移されたものだそう。 大きさは約等身大。
様々なポーズで立っており、その全体バランス、肉づき、表情は 均整が取れており本当に素晴らしく美しい。 堂内は暗く蝋燭に浮きあがる像は、まさに感動に値します。

この十二神将、実は塑像で出来ています。
塑像と言えば東大寺戒壇院にある四天王を思い出しますね。 どちらも同じつくりで、いずれも1000年の年月を経て現在に あるのです。

塑像とは粘土で作った像の事で、芯木に藁縄などを巻きつけて 幾重にも肉づけを施してこの形にします。 最後に彩色をして完成させたもの。
現在、その彩色は当時の色をわずかな部分にしか留めていませんが、 復元されたバサラ像のCGを見ることができます。
バサラ像(CGによる復元)は、 株式会社キャドセンター制作 ホームページにて公開中です
その美しさは息をのむほど。 ぜひ御自身の目で見てほしい。

なを、本堂、および薬師如来、そして十二神将とも国宝の指定が されています。

十二神将の一体であるハイラ像のみ安政元年(1854)の地震で倒壊 しており、後世に作成されたもので国宝指定はない。

鐘楼。漆喰塗の腰部が美しい



敷地内には鎌倉時代に建設された鐘楼があります(重文)。
この鐘楼の腰部分は板張りではなく漆喰塗りで、珍しいもの。

前に植えられた『奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)』は、数少ない品種だとか。

本堂の鬼がわら



最後に本堂の鬼がわらを見てください。 この鬼がわらは、我が国で現役の鬼がわらとしては最古であり、最大の ものだとか。
1200年も、風雨の中、屋根の上で耐えている頑張り屋に拍手!

出口の南門には、金と銀の蛙が送り出してくれます。
「気をつけておかえり下さい。」と。


(‘08.9.10/’09.2.11)


タグ :薬師如来十二神将
株式会社 奈の町
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