奈良の建築家 浅野勝義の家づくりBLOG

高野山金剛峯寺(第2話)

 
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一般に総本山金剛峯寺という場合は、高野山全体を指すそうです。

また、お寺といえば一つの建造物を思い浮かべ、その敷地内を境内といい
ますが、高野山は「一山境内地」と言って、高野山の至る所がお寺の境内
であり、高野山全体がお寺なのだそうです。

「では、本堂はどこ?」とといいますと、壇上伽藍の「金堂」が一山の
総本堂になります。ですから高野山の重要行事のほとんどが、この金堂
にて執り行われます。

山内に点在するお寺は、塔頭寺院(たっちゅうじいん)といい、高野山
全体を大寺(だいじ 総本山金剛峯寺)に見立て、山内にある小院のこと
を指します。現在高野山の塔頭寺院は117ヶ寺が存在し、そのうち53ヶ寺
は宿坊となっています。

総本山金剛峯寺は、豊臣秀吉ゆかりの寺院である青巖寺と興山寺を合併し、
金剛峯寺と改称しました。
青巖寺(剃髪寺)は秀吉が亡母の菩提のために建立したもので、豊臣秀次
が自刃した場所としても知られています。
金剛峯寺の主殿は江戸末期文久3年(1863年)に再建されたもので、
東西 54 m 南北 63 m の書院造建築です。

正門

壇上伽藍を通り抜け、金剛峯寺前駐車場より境内に入って来る際に、
正面にある門です。 この門は金剛峯寺の建物の中で一番古く、文禄2年
(1593年)に再建されたもの。

この日は私たちの先輩であるご夫婦が、写真を撮ってられました。
もちろん面識はありませんが、仲の良い雰囲気が伝わっていました。

天水桶(てんすいおけ)

金剛峯寺の屋根は檜皮葺(ひわだぶき)です。 この屋根の上に桶が置かれ
ていますが、これを天水桶と言うようです。
これは普段から雨水を溜めておき、火災時にこの桶の水をまいて延焼を
食い止めるものだとか。

大玄関

小門をくぐると囲いがされた入り口が見えます。
ここは金剛峯寺の表玄関にあたるところで大玄関といいます。この門は
先にご紹介しました正門と同じく、天皇・皇族や高野山重職だけが出入り
されるものだそうです。

大玄関に屋根に浮き出る龍

今にも動き出しそうな龍の彫り物で、建築好きの私でも一番はじめに
目に留まりました。

奥の院

高野山寺院の一番奥にあり、弘法大師空海の入定の地とされている所。
奥の院は空海が今も瞑想されている御廟があります。

弘法大師空海は、62歳の時、座禅を組み、手には大日如来の印を組んだ
まま、永遠の悟りの世界に入り、今も高野山奥の院で生きていると
信じられています。

実際にここを訪れると高野山の中にいながらも一際空気感の異なる感覚
にとらわれます。 それをパワースポットと感じるか、空海上人の霊験
なのかは分かりませんが、明らかに御廟の前では清涼感と空気の温度が
変わりました。(たしか伊勢神宮の空気感と似ていますね)

この奥の院への参道に沿って、石塔が所狭しと立ち並んでいます。
この数は10万基とも20万基とも言われ、豊臣秀吉、織田信長、上杉謙信、
平の敦盛、法然、親鸞など、あらゆる階層の人々の墓碑があります。

金剛三昧院 【多宝塔(国宝)】



建暦元年(1211年)、北条政子の発願により源頼朝菩提のために禅定院
として創建されました。
承久元年(1219年)、源実朝菩提のために禅定院を改築して金剛三昧院
と改称し、以後鎌倉将軍家の菩提寺として信仰されました。



ここには国宝の多宝塔があります。

多宝塔は、貞応2年(1223年)、北条政子が禅定如実として入道した際、
源頼朝と源実朝の菩提を弔うために建立されました。
内部には重要文化財の木造五智如来坐像5躯が安置されています。

今回私は勉強不足でこの仏像を見る機会を逃しました。
多宝塔は貞応2年(1223年)建立され、檜皮葺で、高さ14.9m。
石山寺塔に次ぎ現存している日本で2番目に古い多宝塔だとか。

実際に見てみるとその傷みはかなり進んでおり、なんとか修繕出来ない
ものかと心配してしまいます。 三昧院では本殿を含め改修工事中でした
が、多宝塔の改修はあるのでしょうか。



地垂木の形状は、古い形式の八角(実は上部に面取りがなく、六角でした)
に、四角の飛燕垂木の乗る形式。そのフォルムは真近で見ても大変美しい。
多宝塔の隣には、樹齢400年以上と言われるヒノキの大木が空に向かって
立っています。

そしてしめ縄が三本の樹に張られています。



街道沿いに降りてみると、ここの景色も独特の香りがします。
写真は、【六時の鐘】というところ。
時間を告げる鐘なのでしょうね。 階段を上って建物から鐘楼に
登るなんて、粋なデザインです。



金剛峯寺前の風景を切り取りました。
今までに見たどこかの景色と重なりませんか?



素晴らしき高野山。
次回訪れる際は、美術品をじっくり堪能して回りたいと思いました。

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