平城宮跡

平城宮跡
(平城宮跡とは奈良の古都平城京の大内裏で、1998年12月に 「古都奈良の文化財」として東大寺などと共に世界文化遺産 に登録されました。)



■ 所在地 奈良県奈良市二条町2-9-1(奈良文化財研究所)
■ 開館 9:00 – 16:30(平城宮跡資料館・遺構展示館・東院庭園)
■ 見学料 いずれも無料
■ 駐車場 各場所に有(無料)
■ 何よりここは、すべて無料。

暖かい五月の最終日、平城宮跡に伺いました。
ここは私が学生のころから好きで、幾度も訪れている所。 前回は大極殿の最終回となる工事内覧以来でしょうか。
いつもここへ来ると気持ちが大らかになってきます。 なんせこんな広大な土地が奈良の町中にあるなんて・・・ 信じられないくらい。
ここ平城宮跡は今から約1300年前、この場所に日本の首都 【都】がありました。 橿原にある藤原京から遷都されたのが、710年。
それから74年間ここは日本の中心だったのです。

都ですから天皇のお住まいもありましたし、政治の中心でも ありました。

内裏と儀式を行う朝堂院、役人が執務を行う官衙から成り、 その広さはなんと甲子園球場の約30個分、数字にして 約120haの広さをもっています。
実際、その広さはここに立ってみれば分かります。 ここで沢山の人々が政治を行っていたのですね。

平城宮というからにはこの場所の外側を高い塀で囲まれて いたことはもちろん、12ヵ所の門で守られていました。

まず、その中央の南の大門である朱雀門から。
南から都へ入ってきた人々はまずこの朱雀門から入ることに なります。

朱雀門正面(1997年に復元)



この南から朱雀門までのメインストリートは、幅約74m、 長さ約4kmもあり、朱雀大路と呼ばれていました。 大阪の御堂筋が43.6mですから、約2倍近くある訳です。

この北の端、平城宮の入口が朱雀門です。

朱雀門から朱雀大路を見る


朱雀門の門の向こうに工事中の大極殿が・・・


朱雀門から。遥か向こうに大極殿が見えます



そうそう、TVドラマで映っていましたが、ここに鹿はいません。 鹿がいるのは奈良公園ですよ。お間違えのないように。

さて、次は東院庭園です。

朱雀門を出て真直ぐ正面にある大極殿へ行く事はできません。 なぜならすぐそばには近鉄電車が走っており、踏切も傍には ないのです。

朱雀門の手前を向かって右(東)へ歩く歩道があり、ここ(昔は 二条大路)を行くと北へ抜ける踏切があります。 この踏切を渡ると向こうに高い塀で囲まれた東院庭園が見えてきます。

この高い塀で囲まれた場所が東院庭園です。



庭園入口の建物内には資料も展示されており、詳しい説明も ボランティアの方に聞くこともできます。 (平城宮跡には各所でボランティアの方からの案内を受けることが できます。そのすべてが無料です)

東院庭園は天皇が宴会や儀式を催したとされ、また、今日の 日本庭園の原型とも言われています。




2004年に復元された美しい庭園を是非見てください。 当時の優雅な気分に浸れるはず。

ここには色々な動物たちも暮らしています。
カモ達もいました。



また、 この足跡は誰のものでしょう?


実は私の前、道の真ん中にサギ?が立っていたのです。
目を合わせ、私がカメラを構えた瞬間、飛んでゆきました。



まだまたスズメなど沢山の野鳥がいます。 お好きな方は双眼鏡持参もお勧めです。

さて、メインイベントとして平城宮跡の北に位置するところに 第一次大極殿の復元工事が急ピッチで進められています。


現在の様子



これは来年の平城遷都1300年行事に合わせての大イベントな訳です。 以前、私もこの復元工事の見学に伺いました。 その写真も交えてご案内いたします。

大極殿は間口9間奥行き4間で、直径約70cmの柱が44本あります。 そのすべてが同じ高さで構成されています。 柱間は17尺、組物形式や軒は薬師寺東塔から、軒の出は三手先を、 各部寸法は法隆寺金堂、薬師寺東塔の比率を参考にしています。

凄いことに基礎は、免震基礎を採用しています。 上部建物にかかる地震力に対する補強を避けるためだそう。 1/100、1/10、1/5と段階的に模型を作製して進めてきています。
建物の一部を見てください。

まず、大極殿初層部。


その天井。広角レンズでしか入らない規模。


最上部の屋根。


屋根瓦


大極殿から朱雀門を見る



今年の秋頃には覆いである足場外れるのだとか。 その姿を心に焼き付けてください。

そのあとは隣にある第二次大極殿跡に行かれて、この広い空間と 大空を見て昼食が最高でしょう! (私も学生の頃、良くここで昼食を食べました。)

遠くに見えるのは若草山



奈良平城の都は1300年の昔。 私たちの想像をはるかに超えた時の流れがここにあります。

‘09.05/31

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