災害時のトイレやお風呂にまつわる話

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6月18日朝8時前に起きた大阪北部の地震、ビックリしましたね。

被災された方々に謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 

我が家の地域では震度5弱との事でしたので、結構大きな揺れに
ちょっと驚きましたが結構冷静にその様子を見ていました。
幸い我が家も事務所も地震の影響は何もなく幸いでした。

 

丁度、
地震の日の翌日に建築中の現場監理がありましたので伺いました際、
大工さんにその時の様子をお聞きしました。
『揺れたけど何もありませんでしたよ。』とのこと。
安心しました。

さて、今回は現場の話ではなく、大きな地震が来た際の対応について
皆さんご存知だとは思いますが少し話してみたいと思います。

 

■便所の水

地震など災害の際の対応ですが、話の中心は便所に使う水です。
ところで便器に流れる水はどうやって来るのか、皆さんはご存知でしょうか。
(ウォシュレットの水は別の話です)

2階建てまでの建物は、水道管から流れてくる水圧で流れて来ていますので
停電になっても蛇口をひねれば出てくれます。(直圧式)
奈の町の家はその殆どが2階建てまでですので、これで大丈夫です。

但し災害時に水道局のポンプが停電してしまうと、止まってしまいますので
送水が行われている事が前提ですが。

3階建て以上の建物の多くは、送られてくる給水を建物内にあるポンプを
使って加圧して各住戸へと水を送ります。
もし、停電で加圧ポンプが停まれば蛇口を開けても水は出なくなります。
共同住宅などは1階に受水槽を設置してここへ水を溜め、そこからポンプで
送り出します。

他に高層の建物には、高架水槽というタンクを屋上に設置して、ここへ
下からポンプを使って水を溜めておきます。 下で蛇口を開けると高架水槽
からの高低差による水圧で水が出るようになっています。
災害時、ポンプが停まっても、高架水槽に水が溜まっている間は各戸へ
給水が可能になりますが、これが無くなると断水します。

 

■次は便器についてです。

便器の形状は大きく分けて2種類あります。
便器の上にタンクを設置して、ここに水を溜めて置き、バルブを開いた際に
その水圧で流す形式。(タンク式)

そして、宅内に配管された水道管を直接便器に取り付ける直圧タイプ。
これは最近多くなったタンクレスと言われる形式です。
送られてくる水圧に制限がありますが、便器の周りを渦を巻くように流れる
事で排水に勢いを付けて流すので使用する水量も少なくて済むようです。

では、災害時(断水時)どうなるかですね。

タンク式は、タンクに溜まっている1回分の水は流れます。
その後はタンクに水は溜まらないので流れません。
タンクレスはどうかと言いますと、水が出ないので1回目から流れません。

高架水槽が設置されている建物は、そのタンクの水が無くなるまで排水は
可能です。

水道局からの給水が始まるまで水はここでストップです。

 

■水が出なくなると・・・

水道が出ないと便所で排便の際に流すことが出来なくなります。
レバーをひねっても、ボタンを押しても何も起こりません。
そこで大切なのは浴室内の浴槽の水です。

前日に使った浴槽の水は流さずに溜めて置きましょう。
もし、断水が起こった際に便器に流す水をこの浴槽の水で使うのです。
排水に使う水が無いととっても困ります。

日頃浴槽に水を溜めるとなるとカビの問題もあり、それぞれの考え方があると思います。

1995年阪神大震災の際、高層マンションに住んでいた方が停電で便器の
水を流せない為、高層階から階段で便器の水を流すために昇り降りをされた
話を覚えてられますでしょうか。

2階建ての住宅であったとしても、いざと言う時の為に浴室の水は流して
しまわずに翌日入れ替えが必要な時まで置いておくことをお勧めします。

特に18日の地震からまだ2日しかたっておらず、今後余震が来ることは
間違い無いでしょうから今からでもして下さい。
溜めておいた浴槽の水ですが、使い方があります。
用を済ませた後、便器の中央部へバケツで汲んだ水を一気に流します。

詳しい流し方の説明が、TOTOさんのホームページに記載されていますので
そのアドレスを記載しておきます。

https://jp.toto.com/support/emergency/dansui_teiden/dansui.htm
バケツ1杯分(6~8L程度)の水を、水飛びに注意しながら一気に流しこんで
下さい。さらに静かに3~4Lの水を流して下さい。
排水管の途中に汚物が停滞する事を防ぐため、2~3回に一度は、多めの
水(10~12L)を流してください。
***TOTOさんのHPより***

これ、やってみると分かりますが結構沢山の水が必要ですので大切に。

それと、一応考えられることではありますが、災害時配管が壊れている可能性も
ありますので、水を流す場合はご注意ください。

■結論

震災などの災害時に水道が出なくなった場合を考えて、お風呂の水を
捨ててしまわずに置いておき、いざと言う時はこれで便器の流し水と
して使うことをお勧めします。

用を済ませた後、レバーを引いても流れない・流せないとき、
パニックとならないために。

 

浅野勝義/奈の町

 

 

 

 

 

 

 

 

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