茶室の襖下地

奈良町の家

現場は内装の仕上げに掛かっています。
今回の打ち合わせのメインは茶室の中…




現地に来られていたのは表具屋さん。
先日お渡しした吉野和紙と襖の下貼りを持ち込んで
打ち合わせをしました。


立て掛けているのは襖の下貼り。




芯材を格子に組み、両面に和紙(生漉き和紙)を太鼓の様に
貼ったもの。
何枚も(この状態は2枚)貼り重ね、この上に吉野生漉き和紙を
貼って仕上げます。
下貼りの和紙は以前に使われた和紙で、文字書きがされて
いますが、インクは滲んでいない良質の和紙と伺えます。
アップにするとこんな感じ。



今日はこの表具屋さんとの会話が話のメインなんです。
表具屋さんはこの上に襖紙を貼って仕上げますが、実は
もっと安くて重ね貼りをする事なく襖紙を貼って仕上げる
方法はあるんだとか。
でも、この建具が古くなって貼り替えた時、表をめくると
下地の仕事がきっちりとしているのが分かってもらえる。
それを考えて仕事をしているのだとか。
貼り替えて初めて分かるその職人の仕事ぶり。
それって実は建築工事全てに言えるんですよね!
建物をリフォームする時、壁をめくるとすぐ分かる。
何かって?
そこを工事した工務店の仕事ぶり。
壁の中の様な構造部分は実はコストを下げる事はいくらだって出来るんです。
材料を下げたり、手間を抜いたり、釘を抜いたり…(そりゃあ無いか)
その工事をする時は建築主と色々あったと思う。
例えば時間が無いとか、予算が無いとか。
時間が無いから工程を省いた。
予算が無いから手間を省いた。
予算が無いから材料を落とした。
色々あったのかもしれない。(いや無かったかもしれない)
でも、解体した私から見れば、完全な手抜き。(私でなくても手抜き)
簡単にした理由などそこには書いてないし、建築主も知らない事が多い。
分かっている事は、○○工務店がした仕事と言う事実。
又は、○○設計事務所が設計したという事実。
後で見られてもはずかしくない仕事をしなくちゃいけないものですね。

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