配筋検査を行いました。

道路上高台に建つシンプル・ナチュラルな家

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広角過ぎて奥の建物が倒れそうです~

 

鉄筋が組みあがりましたので配筋検査に伺いました。

 

現場の様子ですが、たてものの周りに組まれるはずの型枠が
ありませんね。

本来は、型枠からのかぶりの確認もするのですが、鉄筋下に
敷いている捨てコンクリートに墨が打たれており、十分な
被りを取って組み立てられていました。

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捨てコンクリートまでのかぶりは60mmが確保されています。
ベースのコンクリート厚さは180mmあります。

 

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コンクリートのベースからの立ち上がり距離も確認。

写真の上端筋は、とっても太い16mmの上に3本ですね。
ここは一番配筋量が多い部分でした。

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ベースの配筋は、
D13@200で縦横とも同じピッチで配筋しています。

あ、この記号の示す意味は、異形鉄筋13mmを20cmピッチで
敷き込む事をいいます。 これを縦横に組んでいます。

計算上はそんなに必要ありません(D13@300)が、部分的に
補強筋を入れるのをやめて、ベース全体でピッチを細かく
配筋することになりました。

十分すぎますね。

 

あと、
ホールダウンが見当たりません。

写真をよく見て頂ければ、鉄筋の上にゴールドの棒がいくつも
転がっているのが分かりますね。(分かり難い?)
これがホールダウン金物です。

許容応力度計算をすると、このホールダウンがとっても多くの
数になってしまいますが、私は気にしていません。
いっぱい取り付けてもらいます。

 

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ドアップで鉄筋の上部を撮りました。

見て欲しい鉄筋があります。
下から立ち上がっている鉄筋で、一番上の所でくるっと
回っているのが分かるでしょうか。

これはフックと言いまして、本来鉄筋の構造上必要です。
無くすのであれば上端で溶接するしかありません。
しかし、他ではフックが付いていなくても検査が通るのだとか・・・

でも私はダメです。

このフックですが、やりたくない理由があるようです。
それは取り付けるためには問題があるのです。

立ち上がっている鉄筋はD10なのですが、この鉄筋を工具を使って
180Rに加工すると、どうしても70mm程の大きさになります。
基礎の立ち上がり部分の幅が120mmだと、鉄筋両側のかぶりが
取れなくなってしまうのです。

この為に奈の町の立ち上がり部は、170mmの寸法を指定しています。
それでも確実に確保するのが難しいために、頂部で45度捻る加工も
して頂いているようです。

写真をよく見てください。
手前の立ち上がっている2本に注意してください。一番上部で左右に
貫通している鉄筋に対して立ち上がっている鉄筋のフックが45度
捻っているのが分かるでしょうか。

この手間、とっても面倒です。
でもこのひと手間が少しでも被りを取れる仕事をしてくれています。
いつの間にか今ではそれも普通になってしまいました。
とっても有り難い仕事ですよね。

 

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最後に人通口の補強について。

人通口とは、床下の点検のために立ち上がりフーチング部分に
開口を開けて、人が出入りできるようにしたところです。

そもそも基礎の設計は、全体でいくつかのブロックに分割して、
それぞれのブロックに対しての底板の鉄筋量と、立ち上がり部分の
鉄筋量を計算して、場所毎に鉄筋の太さや本数が決められています。

その立ち上がり部分を切ってしまう訳ですので、人通口の場所は
上部に引っ張りの応力が少ない場所を選んで決定する必要があります。

なをかつ、この引っ張りに対しての補強が必要になります。写真の中央部分がその人通口に当たります。(赤で×のマークの位置)

開口補強筋は、奈の町ではD16mm(異形鉄筋の16mm径)を使い、
両側上端部から斜め45度で下げてベース位置で繋ぐ形を採っています。
写真で分かり難いかも知れませんが、左右から斜めに入っている鉄筋を
追いかけて頂ければ分かると思います。

 

さて、基礎ベースの配筋は完了ました。
この後は型枠を組んでからベース部分のコンクリートを打設する事に
なります。

次回私がうかがうのは、ベースコンクリートを打設し、存置期間の後
立ち上がりの型枠が終わったところで再度検査となります。
この時に立ち上がり部分のかぶりが確保されているかを確認すれば
OKです。

その後、コンクリートを打設すれば基礎は終了です。

 

浅野勝義/奈の町

 

 

 

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