間竿(けんざお)

ガレージのある家(2)

材料の刻みをしている加工場がある吉野中央木材さんへ
先日住まい手さんとご一緒に伺ってきました。
大工さんとの話の中で、”間竿”の話が出たのでその話を
少ししたいと思います。
その前に伏図にマーカーで書き込まれたボードがありました。
材料ごとに色分けがされています。

実はこの写真の中に”間竿”があります。
その”間竿”とは?


建物を造るにおいて基本的な寸法がありますね。
土台から床高さまで、2階梁の高さ、その上の合板高さ、
各部屋ごとの天井高、ロフトの床高さ、柱寸法、その間寸法などなど
決まった寸法ではない奈の町の家の寸法に合わせて、こちらの
大工さんは全ての寸法を書き込んだスケールを造ります。
これが”間竿”というもので、一般に一間(6尺)程が多いようです。
ここでは30mm角のヒノキで、長さは2間でした。
この間竿の4面全てを使って寸法を書き込むのに、なんと5日
掛かったんだとか。
(5日もあればプレカットの加工が出来るかも・・・)
私たち設計者も三角スケールという15cmのスケールを使いますが
扱うモノが大きいとスケールも長くなる訳ですね。
これを使って材料に墨付けを行います。
当然刻みの際にも手元に置いて使います。
写真に写っている角棒ネ。

この拡大写真があります。
大工さんが手に持っているのが”間竿”

その書き込みはこんな感じ

加工風景も入れておきます。
材料は通し柱で、梁の取り付く場所を加工しています。

確かに図面を読み、その全体を理解してから全ての寸法を
拾い出し書き込むには大変な時間が掛かるのでしょう。
丁寧に部署ごとに色分けされているので、見ただけで間違わない
様になっているのだとか。
刻みの工程は大方済んでいるようで、中央木材さんの倉庫に
置かれているとのことで、この後、見に伺いました。
加工済の梁達。

尺2寸クラスの梁が何本もあり、手前の加工は台持ち継ぎですね。
次回のお話は棟上げでしょうか。
予定は今月の25日頃だと伺っています。

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