築120年の古民家を、高齢の父と息子2人が一緒に改修する家
ここは、後年に増築された部分です。 不思議な取り合いが多数あり、愉しいです。
120年の長い時間と共に建物がゆっくりと歪んでしまった状況を
改修部分において柱は真っ直ぐ直立し、床は水平に戻す。
解体して分かった不具合部分を一つ一つ確認しながら改修を行います。
また、今までに部分改修された所もどの様に改修したのか、それも分かります。
不思議な取り合い部分や納め方など面白い造りの発見も愉しいもの。今回も何点か見当りました。
なんで?
この仕舞は?
不思議ですね。
さて、大きくゆがんでいた仏間周りは、新しい基礎を造り、土台周りから全て
やり替えました。
4間取りの柱が傾斜しており、これを治すために敷居も新たに付け直しています。
柱の傾斜を直すのは大変な作業で、1本づつ傾斜を確認して直立するように戻します。
勿論柱間には敷居がありますのでこれも柱と同時に多少移動します。
今回はほとんどの柱と土台は大工さんが水平・垂直に戻してくれました。
同時に建物の耐震性も向上します。
壁にはコボットを使用して靭性も確保します。
次は古民家の大きな問題点ともなる断熱性と気密性の向上です。
新たに造り替えた土台・大引間には75mmの高性能断熱材を、壁には100㎜、
天井部へは155㎜の断熱材を入れる事と、外部面に面する部分には防湿フィルムで
包むことにしています。
これは結露対策と気密性を確保することに貢献してくれるでしょう。
床下の断熱材です。板状の高性能グラスウールを充填しています。
壁にも断熱材と共に内側へ防湿フィルムが見えると思います。
この上からプラスターボードを張り上げます。
トイレ部分をご紹介します。
内部の壁にグラスウールが詰め込まれているのが見えますね。
全面が光っているのは防湿フィルムです。
天井は断熱材の上にボードが張られています。
腰板の杉が張られています。
既に床のフローリングが張られていますので、かなり実感が湧きますね。
これから壁下地とカウンター等が設置されます。
以前まで使われていた舞良戸です。
今回はこれを再利用してドアとして使用します。
今回は玄関から奥へつながる通り土間を復元します。
奥の土間は、以前の改修で応接間的な部屋へと変わっておりまして、
皆さんと話し合った結果、通り土間を復旧することにしました。
以前使われていた木製袖壁も修理して取り付けます。
通り土間が復旧すると気持ちイイ空間になると思っています。
次回はかなり進んだ内装をご紹介します。
浅野勝義/奈の町