80年の時間を守る家
前回痛んでいた縁台ですが、カマチと床板について改修を終えました。
そうそうその前に、
この季節の紫陽花を忘れてはいけません。
玄関前に大きく育った紫陽花が大輪の花をつけていました。
紫陽花の花が見れるのも、もう少しの期間ですね。
さて、縁台の様子を見てください。
これです
左側にあるカマチは、削っても無くならない虫食いの穴を、松の埋木で
処理し、床板を実処理することで小さくなった板の部分を新しい松の板を
新たに敷きました。
奥に見えます5枚の板がまあ美しい。
以前からあったテカリもそのままに下地ともしっかりと修理してくれました。
反対からみると、奥に玄関が見えます。
縁台に上るケ込み部分の板も、傷んでいたので新たに作り直しました。
新たに修繕した部分を着色する案もありましたが、このまま使い込んで
質感を楽しもうということでこのまま塗装は行いません。
土間の床部分は以前に張っていたタイルの上に、敷き瓦タイプのタイルを
張ることになっています。
さらに落ち着いた仕上がりになるでしょう。
内部の和室四間についても建具などが戻ってきました。
敷居、鴨居が水平になったことで歪んだ建具も、現地で修正を加えて
敷きこまれています。
このうち納戸の建具をご紹介します。
以前押入れだったところに、板戸(舞良戸)を二枚とりつけました。
真中は新たに壁を設けていますが、綺麗に一体化しました。
南面もほぼ完成しました。
この縁側に座って空を見るのが、住まい手のお母さんのお気に入りだとか。
お月見もいいですし、家族みんなで集まってワイワイするのも楽しそう。
右手の裏戸(戸袋に収まってます)から土間、その奥の玄関まで一直線に
繋がりました。
「今となっては、以前中庭がどんなだったか思い出せなくて・・・。
ほんとに明るくなって、風が通り抜けるんですよ。」
そんなことを聞かせて頂けて、設計者としては嬉しい限りです。