基礎立ち上がり部分の配筋等検査です。

道路上高台に建つシンプル・ナチュラルな家

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基礎のベース部分にコンクリートを打設し、コンクリート硬化の

為の存置期間が過ぎると、今度は内部立ち上がり部分の型枠を

組み始めます。

 

その前に前回ベース配筋の検査時にホールダウンの設置が

間に合いませんでしたので、設置状況の写真を工務店さんから

メールで頂きました。

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ホールダウン金物は、写真の左端辺りにある金色の長い棒に

なります。(2本立ち上がっているのが分かりますか?)

この金物を柱に取り付けることで、柱の浮き上がりを止める

働きがあります。

特に直下型地震時に受ける真下からの突き上げで、柱が土台から

抜けてしまって建物が倒壊した阪神大震災の教訓が生きています。

現在は構造計算によって浮き上がりの柱と引き抜きの力も計算により

算定できますから、必要な場所に必要なだけ設置します。

うちの基礎はホールダウン金物がとっても多いと思います。

 

さて、今回は立ち上がりの話です。

配筋の検査ですが、何故2回も検査するのかと言いますと、

実はベースコンクリートを打設する際に組み上げた鉄筋が動くことが

あるからなのです。

 

あんなに重いものが動くのか・・・?

と思いますが、コンクリート打設時に浮力が掛かりますので意外と動きます。

打設前はちゃんとかぶりがあったのに・・・なんてことも。

 

今回の検査ではちゃんと立ち上がり部分も被りがある事を確認できました。

 

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右側の黄色いつるっとした板が外部面です。

かぶりはこの面から一番近い鉄筋までの距離を言います。

写真から被りに当たる隙間は向こうの端まで一定の距離を保っているのが

分かりますでしょうか。

実はこれ、とっても美しい仕事です。ご自宅が基礎の施工中

でしたら見てください。結構うねっていますよ。

建築基準法(施行令)で、かぶりは土に接する部分は60mm、それ以外の

立ち上がり部分は40mmと決められています。

今回の基礎は、ベース・立ち上がりとも外部面は70mmを

確保しています。

 

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上の写真

写真下の板が外部面、上は中の間仕切り部分となります。

ブルーの厚いボードは基礎断熱用の断熱材です。

此方の工務店さんは、基礎のコンクリートを打設時に、断熱材も

同時に組み込む方法を採っています。(先でも後でも構いません)

ちなみに型枠の上に渡している棒は、アンカーボルトですね。

これから鉄筋にちゃんと固定します。

 

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立ち上がりの基礎幅を計測しています。

幅は170mmあるのが確認できますね。

一般に170mm言うのはとっても広いと思います。

ちなみに建築基準法では120mm以上ですね。

 

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文頭でお話ししましたホールダウンの設置についてですが、

良く見かける手法として、ベースコンクリート打設後この上に

ホールダウン金物を載せる(置く?)というのがあります。

それ、私は原則NGです。

ホールダウンは原則ベースコンクリートの中にあるベース鉄筋に

引っ掛けて固定することが必要です。

始めの写真をよく見て頂ければ、下部で金物のフックがベース筋に

引っ掛けているのが分かります。

上の写真では、太い金色の棒(ホールダウン金物)が、コンクリートから

生えているのがよく分かると思います。

 

あと、打設するコンクリートですが、打設する時期の気温が低い場合、

強度担保の為にコンクリート強度の補正(割り増し)を行います。

一般に使用されるコンクリート強度は、18N/mm2~21N/mm2が

使われるのですが、うちでは基本強度が24N/mm2で、打設する時期

(正確には気温が重要)により+3Nから+6Nの補正を行います。

30N/mm2のコンクリートはとってもコストが掛るので、工務店さんも

辛いと聞かされます。

でも、それを使うようにお願いしています。

 

次回は上棟になります。

 

浅野勝義/奈の町

 

 

 

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