金峯山寺 蔵王堂

金峯山修験本宗総本山 金峯山寺



 所在地 吉野郡吉野町吉野山
 本尊  蔵王権現
 開基(創立者) 役小角(えんのおづぬ)
 電話 07463-2-8371
 アクセス 近鉄吉野駅よりロープウェイ山上下車、徒歩10分。
 拝観料 蔵王堂 大人(一般・大学) 400円
 拝観時間 午前8時~午後5時(年中無休)
 駐車場 有 ( 無料 )

桜の季節といえば、”吉野山”。
吉野山と言えば、”金峯山寺 蔵王堂” という事で
金峯山寺 蔵王堂へ伺いました。

以前伺った際は、桜満開の季節でしたが、今回は少し前の3月の
初めに、花見の下見を兼ねて出かけました。
少し雨模様で、傘をさしながらの参拝です。

下に見えるのが近鉄吉野駅です



さて、
吉野山観光駐車場からロープウェイの終点を越えると、”黒門”が
見えてきます。文字通り、真っ黒の門です。

ここまで10分ほどですが、桜が咲いていれば知らないうちに
到着している距離ですね。

黒門は金峯山寺の総門で、この様な様式を高麗門といい、城郭に
用いられているもの。
たとえ公家大名と言えどもこの門から先は、馬を下りて通行しな
さいという門であるわけです。

黒門



ここから少し先に進むと、”銅(かね)の鳥居(重要文化財)”が
目に入ってきます。

この門は奈良時代、東大寺の大仏を作った余りの銅で建立された
と聞きます。 現在のものは室町時代のものだそうです。
高さ8M余でどっしりと立っているこの門は、この吉野山から
金峯山寺へ入る際にここで自分が修行を決心する所だと。

銅鳥居



銅鳥居を過ぎると街道の正面に、”仁王門”が見えてきます。

真正面に見えてくる仁王門(国宝) は、ちょうど蔵王堂の北側に
位置し、都に面しています。

仁王門(国宝)



二階建て入母屋造り。三間一戸の大楼門で、棟高さ20.3M、
桁行き12.3M、梁間7Mの大きな山門。
高い石段の上に建っているせいもありますが、ホントに見上げる
大門です。

左手に吽仁王、右手に阿仁王が下界を睨みつけています。
高さはいずれも5.5Mと大きく、仏師は室町時代の康成。
筋肉質の仁王像を、フェンスなどのなく真近くで見ることが
できるのは嬉しい限り。

じっくりどうぞ。

向って左手の吽仁王

向って左手の阿仁王



この先の階段を上ると蔵王堂が見えてきます。

蔵王堂



蔵王堂は高さ34M、桁行7間、梁間8間の重層入母屋造り。
桧皮葺でその寸法が、36MX36Mの正方形。(国宝)

現在の建物は安土桃山時代(天正20年)に建立されたもの。
木造の建築としては東大寺大仏殿に次ぐ規模といわれている
建築で、正面から見るとその大きさ、高さ、軒、扉など、
一般の寺社とは一線を画する規模と爽快感を感じました。

真正面から

堂内の縁にて

桧皮葺きの重層(裳腰)と大屋根

蔵王堂の大きな雨水溜め



内部に入るとその空間の大きさにも驚かさます。

大きな柱が乱立しているのはそうではあるが、看板に”ツツジ”
と書かれた札を見て絶句・・・ツツジはこんな大木なのか、と。

上部は原木の曲がり部分がそのまま使われていることも驚いてしまう。
確かにここにこれだけ大きな建物を建てるには、材料を
ここで調達する必要がある。 、にしても・・・

内部の四方を回ると神代杉や梨などというおよそ構造建築材料
となるものではない、そしてとてつもない大材に出会う事が
出来る。これだけで私はもう満足。

蔵王堂の柱の数は全部で六十八本。杉、檜、欅、松などが
使われています。

内部を見学するとすぐに御本尊を見ることができます。
私は当日、秘仏公開時期ではなかったため、写真でしか見る
事が出来なかったのだが。

本尊は3体(重文)。
中央は本地釈迦如来で7.3メートル。
右側が本地観音菩薩で6.1メートル。
左側が本地弥勒菩薩で5.9メートル。

その3体ともよく似ており(見た感じ)、火焔を背負って、
頭髪は逆立ち、目を吊り上げて、口を大きく開いき、左手の
人差指と中指を揃えて腰に添えています。

表情は忿怒を表わし、3体揃って片足を高く上げて踏んで
られます。

今回見えはしませんでしたが、扉と御本尊との間の空間は
じっくり見せて頂きました。(勉強になるー)
内部奥には木造蔵王権現立像(安禅寺旧本尊)が暗闇の中に
立っておられます。
この仏像は御本尊より古いとのことですが、その姿(ポーズ)
はやはり同じ。

秘仏3体の前に、大好きな四天王が立っています。
持国天、増長天ですね。
美しいバランスのとれた四天王です。

蔵王堂の前には”四本桜”があります。
桜の季節には美しく咲き誇ってくれています。
昨年私が訪れた際には、少し遅かったようで、大方散った
後でした。

桜咲く南朝妙法殿



蔵王堂から後醍醐天皇の行宮になった、”南朝妙法殿”を
見下ろすことができます。
桜の季節になると、辺りはピンク色一色となります。

’09.3 (桜の写真は’08のもの)

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