長谷寺(続)

長谷寺 本堂(国宝)



前回の続きを御紹介します。
【前回とは こちら です】


前回の最後は、外舞台から見える景色でしたね。
本堂はここから見ることを意識してつくられてもいます。
この真正面から手を合わせると、一番奥の内々陣におられる
十一面観音菩薩を拝めるようになっているのですね。



実はここにいると、観音様と繋がっている手綱を掴むことが出来
ます。
その方法は、正面の柱の両外側に白い札が見えますか?
札の横に下がっている手綱は内陣を渡り、観音様に繋がって
いるのです。 これは”観音御手綱”と書かれていました。
(まあ、ロープを介して間接的ですが、結構嬉しいですよ)
私はしっかり?まってきました。



この舞台から見える景色として、五重塔とのショットが
ありますね。 見ているとやはり絵になります。



外舞台から内陣を見ると一番気になるのはその天井。
天井には所狭しと絵や文章の”額”が大量に掛けられています。
どうも色々な所からの奉納額のようです。
額に書かれている内容は・・・よく分かりません。



さて、本堂を出て、少しのぼると弘法大師御影堂があります。
建物はまだ新しく、昭和の終わり頃に建てられたらしい。
銅板葺きの平屋建て。形状は五間四方の方形のようですね。



その隣は本長谷寺があります。
一話の説明にもありました、
「686年、道明上人が天武天皇の為に「銅板法華説相図」を
初瀬山西の丘、現在の五重塔の近くに安置した。」
建物の場所がこの辺りなのですね。



当時建立したのは、三重塔だったようです。
三重塔跡は隣接する五重塔近くにあります。
本長谷寺に隣接しているのが五重塔です。
五重塔は、昭和29年(1954年建立)で桧皮葺。高さ31.39m。
各階に高欄をもち、軒の組みは三手先を採用しています。
外観は屋根の勾配も緩く、宝輪のデザインも大変美しいです。





五重塔から階段を降りると、本坊(大講堂)へ行くための
通路に出ます。
この通路から仁王門近くの登廊へ繋がる下り階段(石段)も
いい感じ。
下から見ても好いのだが、今回は上から、桜棚から見た
ショットを一枚。 石段と漆喰塀が美しい。



長谷寺はもとは東大寺の末寺だったようで、それが十世紀
末頃には興福寺の下で法相宗の寺となった。
今の真言宗になったのは十六世紀末頃。
現在豊山派総本山で、末寺は三千寺、壇信徒は約二百万人
おられると聞く。
宗派が変わっても、幾度となく火災に遭ったとしても
”花の寺”と”長谷十一面観音”に巡礼に来られる人々は
この千年絶えることがない。
いつ誰が来ても、このお寺は優しく迎えてくれます。
‘09.4

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