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浄瑠璃寺

真言律宗 浄瑠璃寺


■ 所在地 京都府木津川市加茂町西小札場40
■ 本尊 阿弥陀如来(国宝) 薬師如来像(重文)
■ 創建年 738年建立
■ 開基 義明上人
■ 電話番号 0774-76-2390
■ 拝観料 300円(本堂拝観のみ)
■ 駐車場 有(有料)

この寺の名前の由来は、薬師如来のおられる東方浄瑠璃浄土から 来ているそうです。
中世から近世にかけて、浄瑠璃寺は興福寺 一乗院の末寺でしたが、明治初期の廃仏毀釈の混乱期に真言律宗 に転じ、奈良・西大寺の末寺となりました。
大きな特徴は、本堂(本堂)に9体もの阿弥陀如来座像を安置して いることから、九体寺(くたいじ)とも呼ばれています。 また、 境内には中央にある池を中心に、西に阿弥陀堂、東に三重塔が ある浄土式庭園をそなえています。

 

この浄瑠璃寺は、奈良の東大寺より東北の方面へそう離れていない当尾の里にあります。ここに着くには、車ならそう時間のかからない所にあります。

入り口の駐車場(有料)から浄瑠璃寺への参道沿いに、焼き物や 漬物のお店を過ぎると、昔懐かしい雰囲気の漂う参道と、その 向こうに山門と築地が目に入ります。

参道沿いのお茶屋さん。
風情があります。


山門の横には大きなモミジが真っ赤な紅葉を楽しませてくれ、 入ってすぐ、真正面に池が出現します。

池の右手(西側)には本堂がみえます。



その本堂に誘われて建物を見ていると、池の対岸に三重塔が あることに気づきます。
形式は東に三重塔、西に本堂(阿弥陀堂)、と池を挟んでいます。



対岸の三重塔は東側には薬師如来が安置されており、正面にある 本堂には、9体の阿弥陀如来が安置されています。

これを浄土式庭園と言い、薬師如来は東方浄瑠璃世界に住み、 現世の苦しみを除いてくれる仏で、阿弥陀如来は西方極楽浄土 で死後救われるという考え。
東を拝んでは現生で幸せを願い、西を拝んでは死後救われる ことを願う。 これは末法思想から来たもので、このお寺の本格的な造営は その頃に始まるようです。

さて、 本堂(阿弥陀堂)は、間口11間、奥行き4間で、1107年建立。 正面から見て両端を連子窓とし、中央9間は板戸。 その板戸一つ一つに対して阿弥陀様が覗くように配置されて います。

池の対岸から見ると、開いた板戸の中に阿弥陀様が9体も 並んで見えると、それは荘厳な絵になるのでしょう。 私はこの機会に見ることは出来ませんでした。

三重塔側から本堂を見る。



屋根は寄棟瓦葺き。
江戸時代に桧皮葺きから瓦へと葺き 替えられたそうです。

本堂(国宝)の中を拝観する際に初めて拝観料が必要になり ます。
拝観料もお安く、反対に言いますとこの庭園を見学 するのに無料であることも驚きました。
本堂に入る(正面左側面より)と、一列に並ぶ阿弥陀如来に 一瞬驚き、足が止まります。
九体すべての仏師が違うようで、すべての阿弥陀様のお顔 や姿勢など微妙に異なっているのが分かります。

お寺の方にお聞きすると、人気の高い阿弥陀如来様もある ようで、私もその話を聞いてもう一度はじめからお顔を 見て回らせて頂きました。

九体の阿弥陀如来像(九体とも国宝)の中尊は一回り大きく、 平安時代の定朝作と言われています。 中尊は上品下印を、他の8体は上品上印をそれぞれ結んで いて、9体とも寄木造。金色に輝いています。

入口近くには四天王(持国天と増長天、いずれも国宝)が暗闇に 立っています。 その造りはひと際力強く美しく感じました。

阿弥陀如来様の間には、有名な吉祥天像が厨子に納められて いますが、厨子のみで当日は拝むことはできませんでした。 (拝観日は決まっています)

池の対岸には三重塔(国宝)が建っています。




桧皮葺きで高さ16.8m。
京都から移築されたと言われており、美しいバランスと 佇まいを感じさせます。

九輪の上にある水煙を撮ってみました。



構造上の特色は、初層内部には柱がないことで、心柱は初層 の天井から立てられているそうです。

この日は安置されている薬師如来(重文)の公開されていない 日でしたので、内部を確認する事はできませんでした。

この日の紅葉




紅葉の美しい、管理の行き届いた気持ち良いお寺でした。
皆さんにもお勧めです。

(‘08.12.3)


タグ :薬師如来 阿弥陀如来 四天王 吉祥天

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