リノベーション会社の選び方

リノベーション会社選びのポイント

少し長くなってしまいましたので、2回に分けてお話しします。

今回は、すでに中古住宅を購入された方に向けて、リノベーション会社を選ぶ際のポイントをお伝えしたいと思います。
リノベーション会社をどこに頼めばよいかお悩みの方には、ぜひお読みいただければと思います。

1.物件購入後、リノベーションの発注はどの様に決められているか

中古住宅を購入された方は、その後のリノベーションはどの様に決められているのでしょうか?

不動産仲介会社の紹介
地元のリフォーム会社
気になっている設計事務所
家電メーカーやホームセンターのリフォーム事業部
ハウスメーカーのリフォーム事業部
その他

多すぎて迷いますよね。

今回は、当社でリノベーションされた住まい手さんからお聞きした話を一つ例に出して、リノベーション会社選びのポイントとしてアドバイスさせていただきます。

住まい手さんの体験談です。

当時、現地を見て気に入った中古住宅を手に入れたAさん。売買契約後、この物件を仲介した不動産業者が連れてきたリノベーション会社に対して、仲介業者の担当者が様々なリノベーションの範囲と内容を指示し、見積もり依頼する様子を聞いて、驚いたそうです。

リノベーションの内容は全く打ち合わせもしていないのに、ここは塗り直し、ここは交換と勝手に指示されていたそうです。さらに、当初予算を言っていたものだから、見積もり金額もその予算に合わせて一杯一杯の見積書が上がってきて「このまま進めてはいけない」と思った住まい手さんは、見積もり依頼を一旦ストップし、当社を探して相談に来られました。

リノベーション会社を選ぶのに、物件購入と同時にその流れで発注へと誘導し、工事の発注へと話を進めるというのはちょっと無理があります。
そもそも、住まい手さんのやりたかったことを聞いていないですものね。
おまけに、リノベーション予算を聞いて、お客さんの要望を聞かずにその金額に合わせた見積もりを作成する。もう、そんな時代ではないですよね。

2.リノベーションを依頼する際に、住まい手が考えるべきこと

リノベーションを依頼する際、住まい手が何を決めるべきかを順に説明します。

  1. 自分たちは何をしたいのか
  2. 工事にかけられる予算はいくら用意できるか
  3. どこをリノベするのか、そしてどこまで改修するべきか
  4. 予算をかけてでもこだわりたい部分はどこか
  5. そして、どの業者に依頼するのか
  6. 可能であれば、何十年先かも考えて計画するのが良いと思います。

1.自分たちは何をしたいのか

中古住宅を購入して、自分たちがどんな暮らしをしたいのか考えます。
家庭菜園でも良いし、趣味のミシンでも良いです。
リモートワークもあるでしょう。ショップをしたいのもあるかもしれません。
子供部屋を確保したいから、それでも良いです。

何のために手に入れたのかを思い出し、それを実現するためのリノベーションを考えましょう。

2.工事にかけられる予算は、いくら用意できるか

これからリノベーションを考えるわけですが、予算がないと計画はできません。
例えば、予算が1,000万円と3,000万円ではできる範囲も使える素材も全く違います。
また、予算によっては構造体の補修すらできない場合もあります。
あるお金をリノベーションに全て使う必要はありません。必要だと考えられる分だけ依頼すれば良いのです。
分かっていることは、予算によってリノベのできる範囲が変わるということです。

ちなみに、大きな家を買われた方は、リノベーション費用は確実に高くなります。建物の劣化度合いにもよりますが、安い費用で収まることはほとんどありません。
これから購入を考えていらっしゃる方はご注意ください。(大きな古民家は非常に費用がかかります)

予算に合わせて傷んでいる部分の改修と暮らしやすい住まいへ変えるためのリノベーションをします。

3.どこをリノベするのか、そしてどこまで改修するべきか

では、改修の必要な部分をどう区別するのか、ですよね。

まず、住宅診断を行った上で、大きな問題点を解消します(家本体の修繕)。
具体的には、

・雨漏り(雨漏りは屋根に限らず外壁も含みます)
・断熱性の向上・・・改修できる範囲でサッシの交換や断熱材を入れる
・耐震性の向上・・・改修できる範囲で金物や筋交を入れて行う
・水回りの劣化部分・・・トイレやお風呂周りの土台等の腐りやシロアリ対策

本来は、建物全てを行うことが理想ですが、現実に建物全てを改修できる予算が当初からある家は、・・・少ないです。
次に、残った予算で改修範囲の内装や設備を改修します。
正確には並行して検討します。

⌈ここまで改修し、設備もここまで交換する。⌋という感じで。
必要な部分から確保していき、改修予算があるところまで、という割り切りが必要です。

4.予算をかけてでもこだわりたい部分はどこか

せっかく、やりたい目的を持って中古住宅を手に入れたのですから、こだわりたい部分はあるでしょう。
それをこだわりましょう。

予算オーバーしてまでやりましょうとは言いません。
ただ、『これは実現したかった』という部分については、設計担当者に相談して、何とか実現できるように交渉をしましょう。
キッチンとか下手(ベタ)な要望でなくても、落ち着く場所や自分の居場所、趣味の空間でも良いのです。
ワクワクするこだわりを実現してほしいと思います。

5.そして、どこへ頼むのか

やっとリノベを依頼する会社に来ました。

色々とやりたい事や、予算でできる範囲などと言ってきましたが、
具体的にどのように依頼すれば良いか。
これをお話しします。

まず、自分たちが実現したいことを出します(実現したい順序をつけることが大切)。
当然その中には断熱や雨漏りの改修も入っています。

次にリノベ予算を提示します。
依頼する業者に、この予算でどんな提案ができるかを予算に合わせて提案をお願いします。
複数の業者に同じ条件で提案を求めると、それぞれの会社の特徴がわかります。
キッチンの場所や間取りの構成、床壁天井の材料から設備機器まで、様々な提案が見ることができるでしょう。
プランがとても良かったり、どれくらいの範囲で改修可能なのかがわかります。

見積書に依頼していたものが記載されていることを確認した上で、自分たちに合う会社に絞り、さらに内容を詰めてから依頼しましょう。

この提案型の依頼方法は、会社の特徴が出やすく、また、提案力が必要ですから、それらのない会社は見積もり参加ができません。 それこそ、最初に話しました言われたまま見積もりを書く施行会社も参加できませんし、工事単価の高い施行会社は明らかに工事範囲が狭くなります。 判断基準は、要望がどれだけ達成されているか、です。
これだと無駄に高い商品は使えません。

やってみる価値は大ありです。
業者さんが参加するというだけでも、自社に自信がないとできませんからね。

3.まとめ

リノベーション会社を選び方のアドバイスですが、ここまでの話のまとめです。

依頼する会社は色々選択はあります。
・不動産仲介会社の紹介
・地元のリフォーム会社
・気になっている設計事務所
・家電メーカーやホームセンターのリフォーム事業部
・ハウスメーカーのリフォーム事業部

最初にそうお伝えしました。
そして、住まい手が決めるべきこともお話ししました。

●自分たちがどんな暮らしがしたかったのか。
●予算はいくら用意できるのか。
●どこまでリノベするか、どこまで改修するか
●予算をかけてもこだわりたい部分はどこか
そして、どこへ頼むのか。

初めに、
⌈住まい手の自分たちのことを本当に考えてくれる会社に依頼する⌋ことです。
住まい手のことを理解して考えてくれる会社です。
予算に合わせて見積もり内容を決めるのではなく、住まい手の希望を実現しながら、暮らしやすい提案を予算内で実現してくれる業者です。

その為に今回は提案型の選択をお話しいたしました。
聞いただけでワクワクしませんか?

これをやって頂くのであれば、住宅コンサルタントにまとめてもらうのが良いですね。
条件提示や見積もり依頼、プレゼンの準備や結果の判断など、専門家でないと分からない部分もありますから。

ただ、
工事予算や内容によって依頼する業者が変わることを考慮しましょう。

例えば、水回りの設備だけ交換する場合は、家電メーカーやホームセンターでも適切かもしれません。
ただし、水回りやその周辺をリフォームする場合は、リフォーム会社などの施工会社を選ぶのが良いと思います。
しかし、間取りや構造にも関与する場合は、設計事務所に構造の補強や断熱改修と一緒に計画を依頼することをお勧めします。

各会社には得意・不得意があるため、施工事例を確認し、詳しく話を聞いてから判断してください。

続きは、次回の『中古住宅を買って、リフォームする際の注意点5選』です。

浅野勝義/奈の町

  • URLをコピーしました!
目次