美邸の改修_良質な民家のリノベーション[木材編3]

 

 

今回の住まいをリノベーションするにおいて、従前の素材を使って
再利用したものは、ブビンガの床板と階段、そして床の間にあった
欅の床板を含めた板材でした。

ブビンガの床板とササラ材は、新たにつくられた廊下の床板と框、
階段の回り段部分、そして板間のデスクの制作に大盤1枚を使いました。

また、2階和室の床の間にあった欅(ケヤキ)の板は、玄関ベンチと
ティーカウンター、ベンチの背もたれ板へと使いました。

どの様になったのかを順にご紹介したいと思います。

 

新たにつくられた廊下の床板

幅が850もあると反りやひずみを押さえることが出来ない為に、
材料を半分に割った上で、フラットに製材しました。
それでも幅は400mm以上あるので迫力は満点です。

Before : ホール・縁側に使われたの床板

 

新たに架け直した緩やかな階段

元々あった階段板を再利用して寸法調整をしてから埋木処理、
ケ上げ寸法(1段ごとの高さ)を小さくすることで、昇り降りが
し易い階段に変更した。また、小さな子供さんも昇り降りし易く
するために、ストリップ階段はやめました。

 


広い階段の踊り場

縁側の床板と階段の受け材を使って1Mx1Mの回り部分(踊り場)
を制作しています。 また、登り切った鼻板も同様に制作しました。

 

ワイド2850㎜のティーカウンター

床板に使われていた欅の板をはぎ合わせて大きなカウンターにしました。
庭を見ながらアフタヌーンティーも良いですし、子供さんの勉強机も良いと
思っています。

 

新たな勝手口玄関かまちの制作とベンチ回り

階段の受け材が無垢の塊だったため、色々な部分に切り取って
使いました。
玄関框や巾木もその材料(ブビンガ)から切り取って制作しています。

床の間地板を加工した玄関ベンチです。
ケヤキの美しい木目がとても合っています。

完成ベンチ

 

 

 

 

読書コーナーの背もたれ

親子で座って読書が出来るスペースとして制作したベンチです。
本を読んでいたり、読み聞かせをしていたり。
ホワイトボードに絵を書いていても楽しめるスペースです。

背もたれは、一人づつ背中に当たるように2つ取り付けました。
デザインも楽しそうに仕上がりました。

 

和室の縁側処理

和室の外部面にある大型の引き違いサッシを高性能なものに
取り替えました。
その際、サッシと縁側の床面の取り合い部に段差が付くので
ブビンガを加工して見切り框を入れました。

 

以前のクローゼット扉を再利用

以前8畳の洋間に使われていた大きなサイズのクローゼットですが、
システム家具だということで、いかそうとのことから6枚の内、
4枚を再利用しました。

もともと内部に引き出しなどが組み込まれたユニットタイプの
ものですが、奥行が950mm程深く、その必要がない為に扉のみを
使うことにしました。

クローゼット扉の再利用

 

板間に置く、オリジナルデスク

大盤の床板が1枚最後に残りましたので、板間に置くデスクを
デザインして制作致しました。

天板には筆記用具が収納できるトレイを掘り込み、可動仕切りで
ペンや小物などを自由に区切って収納できます。
天板下にはnote-PCの収納できる棚を組み込みました。

デスク写真

最後に

今回の既存材料を使った加工は、一応生け捕りにしたものを
黒檀の框を除いて全て使うことが出来ました。

 

浅野勝義/奈の町

 

美邸の改修(奈良市) は、奈の町のホームページで設計監理と完成写真を
ご紹介しています。

 

 

 

 

 

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