建て方を終えた建物は、屋根仕舞へと進みます。
庇の深さから背の高い垂木を掛け、軒先に鼻隠しを取り付けます。
鼻隠しのヒノキですが、出来るだけ成を薄くしたいのですが、
垂木の成がある事と、樋を取り付ける金物の取り付け代が必要なため、
最近では150程度が多くなっています。
私的には100程度が希望なのですが・・・もう少し改良が必要ですね。
詳細は、現場で原寸図がべニアに書かれていましたので見てください。
野地板は12mm、その上にルーフィングを敷き、ガルバリウム等の屋根材を葺きます。
軒先の板金を切り返して水切りを取り付けますが、鼻隠しの先にある野地板が仕上げ時に
見えてしまうため、ここを板金で包んでいました。
が、これも費用が掛かるので最近では野地板の先端部分をヒノキの板を敷くことで対応する
様になっています。
鼻隠しの話ついでで、話は変わりますが、
鼻隠しと破風板についてですが、私はいつもヒノキの板を使っています。
その際、必ずしてもらいたいのは、カンナ処理を行ってもらうようにお願いしています。
そうすると水がしっかりと切れるので長持ちしてくれることを工務店の社長さんに教えて頂きました。
それを行わずにプレナー処理のみで取り付けてしまうと、クリアー塗装の際に水分を含んだ木部繊維が
起き上がり、ここにごみが溜まる事で早い時期に表面が傷みます。
対応方法は、起きた木部繊維をペーパーで何度も落とした後何度も再塗装をする必要があります。
なんてことない話ですが、これは意匠的なことなのでしておかないと後まで後悔します(笑)
話は屋根仕舞でいたね。
えらい脱線しました。(笑)
野地板の上にはルーフィングを敷き込みます。
立ち上がり部分の余長もしっかりとっています。
木軸についてですが、今回外壁の耐力壁としてアミパネルという通気耐力面材を採用しました。
(アミパネルは複数の物件に使用しています)
この商品は外壁の耐力壁として壁倍率4.0~4.6を持ち、国産材の杉で構成されています。
何より私が一番気に入っているのが壁からの通気です。
合板よりずっと良い通気性のある外部下地材をさんざん探していましたので。
これなら直接木軸部に透湿シートをはり、アミパネル、その上からラス、モルタル塗りと
ダイレクトで施工が可能です。
外部
柱・間柱の間に白く見えるのが、透湿フィルム。
その向こうに透けて見えるのがアミパネルです。
この後は、筋交い等の取り付けになります。
金物の検査を終えると、断熱材の吹き込みが始まります。
断熱材はいつものセルロースファイバーです。
奈の町の事務所も同じもので作っていますが、この断熱材、冬はとても暖かいですよ。
今回は、工事工程の管径から屋根と壁(2回)の3度に分けて吹き込まれました。
次回は内部の仕上げに掛ってゆきます。
フローリングや 天井板、家具などをご紹介します。
浅野勝義/奈の町