藤が咲く

80年の時間を守る家

現場に伺うと建物の外壁に美しい藤が咲いていました。
焼杉の外壁に藤の色は大変美しく映ります。





さて、お仕事です(笑)
今回は母屋と離れを繋ぐ旧納戸部分の改修が進んでいましたので
この部分を御紹介します。


この建物部分は前説にもありましたように、母屋と離れを繋ぐ為に
建てられた棟で、現状(改修前)は床の高さが低く、湿気の影響が
大きい為に床のあちこちがフワフワ(フニャフニャ?)になっていました。
床はダメでしたが構造フレームはそう痛んでいなかったので、建物躯体を
そのまま残し、外側にしっかりとした新しい基礎を造って耐力壁を持つ外壁を
新たにつくり、旧のフレームと繋結する方法を取りました。
その方法を採った大きな理由は、基礎外壁面にある換気口が外部地盤面
とほぼ同じ位置にあることが大きいです。。
これでは床下に水を招き入れているようなものですよね。
当時の納戸部外部

この基礎の状態では外部から水が浸入することを止めることすらできません。
おまけに、中庭側外壁面は屋根からの雨樋の雨水枡が無いのです。
ですから雨が降る度に床下へ流入するという構造?となっていました。
今回は地盤からの立ち上がりをしっかり採った基礎とともに基礎パッキンにて
床下の通風もしっかり確保することで床下の通気についても安心できる様に
しました。 まあ、以前の基礎地震も信頼できませんけれど。
私は最近新築建物に基礎パッキンを使っていません。
逆に在来工法を用いた建物の修繕には基礎パッキンを使います。
理由は簡単。これらは新築工事のように高気密工断熱住宅では無いから。
基礎パッキンを使って建てる家はたくさんありますよね。
そこで基礎パッキンを用いた工法の注意点があるのです。
基礎パッキンを使うと基礎内で湿気などの澱む場所がなくなりますので
床下換気には大変効果的です。
しかし床下から流入する例えば冷気、通り抜けるのは全く良いのですが、
実は内部壁の足元からも流入することが忘れられています。
感じたことはありませんか?
室内の間仕切壁にあるコンセントボックスから冷たい風が吹き込んでくるのを。
理由はこうです。
土台や大引きには根太が掛けられるのですが、根太の間に充填した断熱材を
壁の足元(丁度土台上部)には断熱材を入れていないことが大変多いのです。
その様子の写真



黄色い断熱材がぴっちり詰められているでしょ。
この場所に充填していないと、ここから冷気が壁を登るのです。
中から冷やすので暖房効果も落ちるわけですね。
ついでに床下も



横から見たところです。断熱材はマットエースU32K厚60mm
土台が黒いのは柿渋と弁柄を混ぜたもの
渡り廊下に当たるこの棟部分は、母屋とも離れとも建物として分離しており、
このブロックを単独で計算を行い、耐震補強も施しています。
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今度は浴室・洗面所などの水周りも兼ねますから構造はしっかりとね。

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