注文住宅を建てる場合に使う、つなぎ融資について解説します。

注文住宅を建てる場合に使う、つなぎ融資について解説します。

以前、
「注文住宅のつなぎ融資はネット銀行にはありません。」
というテーマでお話ししました。
http://asanokatsuyoshi.com/tunagi-roon/

今回は、
注文住宅を建てる場合に使う、つなぎ融資について解説したいと思います。

質問内容は、
〇そもそもつなぎ融資って何?
〇つなぎ融資のある銀行ってどこで、金利は?

そんな流れで解説を進めてゆきます。

つなぎ融資とは?

注文住宅で、土地の購入から工事着手~完成までの支払いを一時用立てしてもらう別枠融資のことで、「土地の購入費」「着工金」「中間金」と3回に分けて融資するもの。
本申し込みローンに引き継きます。 よってつなぎ融資は短期間であり担保は不要だが金利は高い。 保証料は無料。 つなぎ融資の条件は当然だが住宅ローンの審査(本審査)が通っている事。

ネット銀行の多くがつなぎ融資を行っていないのは、基本的に出来上がっている住宅を購入するタイプ(建売住宅・中古住宅・マンション)の融資を中心に考えているからで、土地を買ってその上の建物に時間を掛けて建てる方は対象外なのでしょうね。

分割融資というのもある。

何もつなぎ融資だけが中間金を用意してくれるものではありません。 他に分割融資もあります。
分割融資は必要な費用全体枠しとて契約し、必要な時に必用な分を実行し、地主や建築業者へ支払える融資のことです。

例えば土地代について支払った場合、土地の融資と同時に抵当権を付け、建物完成時に再度建物を含めて担保に入れる必要があるなど、登記関連費用の負担が多い場合があります。ただし、銀行によっては抵当権を最終に土地建物に一括で登記する場合もあります。メリットは低金利。

注文住宅を建てる場合に使う、つなぎ融資について解説します。

どんな銀行が貸してくねるの?

金利最安のネット銀行にはつなぎ融資がありません。
唯一、楽天銀行が参考になると思います。

みずほ銀行 分割融資
三井住友銀行  2.475%
楽天銀行    2.64%
イオン銀行
りそな銀行
2021年1月1日現在
※つなぎ融資の金利はHPに記載あるものだけを表記しました。詳しくは銀行にてご確認ください。

返済はいつから?

つなぎ融資がスタートする度に支払いが発生すると、返済できなくなってしまう様な心配はありません。
住宅ローンがスタート同時に清算することになります。

住宅ローン審査は60日から180日まで有効

設計をやっていてローンの関係で困ることがありました。
住宅ローン審査の有効期限というのがありまして。
大体、どの銀行でも60日から180日というのが多く、この期間って設計していると過ぎてしまいます。 まあ、当初から銀行へその話はするのですが、結局再審査になるのですよね。

収入が変わらずにある方なら問題ありませんが、昨年は多くて今年は少なくなったといったケースで、再審査時に年度を跨いで源泉票が更新されてしまうケースだと、融資金額に影響が出てきます。

また、土地を買ってから(つなぎ融資スタート)進めるうえで、つなぎローンの審査期限もあるのです。例えば、みずほ銀行のつなぎ融資は1年間。 楽天銀行は土地決済日から6か月と。
ちなみに6か月って工事期間で終わりますから設計している期間はありません。

このローン審査の有効期限と、つなぎの審査期限があるために、設計するのに苦労をします。(設計とは関係ないことなのに…)

唯一、回避方法があります。

私のお勧め

可能なら、土地代は自己資金で購入するのをお勧めします。

詳しくお話しします。

土地の購入を自己資金で賄う事です。例えばご両親・祖父母から贈与(直系卑属者からの住宅収得資金の適用)を受けるなり、一時的に借りるのもありです。

借りた場合はローンにその分を載せて手続きします。

何が良いかと言いますと、土地購入に対してつなぎ融資を受けていないので、ローン期限の制限を受けません。 ですからじっくり期間を掛けた設計が出来る訳です。 もちろん高利のつなぎ融資も土地購入分は不要になります。

後は、設計後に建物工事費が確定してからローンの申し込みをすればよいのです。 ちなみに工事完成までに支払う中間金等については、つなぎ融資が必要になりますので、ローン申し込み時にはその事を伝えてる必要があります。

そもそも設計に時間が掛けられないという事は、良い住まいを建てることが難しくなります。 6か月なんて期間に設計と工事を詰めるなんて建売しか出来ませんよね、ホント。

まとめ

〇つなぎ融資とは、注文住宅で、土地の購入からこうじ着手~完成までの支払いを一時用立てしてもらう別枠融資のことです。

〇分割融資というのもあります。支払い時期毎に実行するローンで、最後の金消契約時にまとめてローンを組む方法ですね。

〇ネット銀行は、基本的につなぎ融資に対応していません。

〇家づくりをじっくりしたい方は、ローン審査の有効期限があることを知っていてください。
その為の回避方法も解説いたしました。

以上です。

後は、建築家として納得できない事項をご紹介します。
奈の町ではこのルールは採用しませんし、実際に施工会社さんへの支払いは住まい手さんに有利となるように自社で割合を決めています。

工事契約において、施工会社さんへの支払い条件なんですが…

設計監理をしている中でよくある話として、工事契約の際支払い条件が、工事着手時1/3、上棟時1/3、完成時1/3という前提のルールに出会うことがあります。
(着手30%、上棟30%もこれと同様です)

住宅会社やハウスメーカーさんもその様な支払い条件を聞かれたことがありませんか?

これ、私は明らかに支払い過ぎだと考えています。
施工側に何かあった場合、住まい手は建築不可になる恐れがあります。

あぁ…、この話は長くなります。
別の機会にじっくりと、そして詳しくお話ししたいと思います。

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