「あなたも今年60歳。もう少しで高齢者と言われる年齢になるよ。」
と、嫁に言われて自分ながら驚いている今日この頃。
確かに最近お声をかけて頂く住まい手さんの年齢が高くなった気がします。
高齢になってから住まいを改修する、建てる、建て替える。
そういうお話を頂くのですが、
その後の大きな暮らしの変化ですが、皆さんそれを愉しんでられます。
そこで、
今回はこのテーマについて話してみたいと思います。
50歳からは、暮らしやすさと楽しみが優先の、目的を持った住まい
住まいは小さくて良い
若い時は家族が多く、家が狭いといつも感じていた。
「もっと広い家が欲しい」と。
そして大きな家を建てた。
それが・・・
子供たちが独立してから、2階はもうほとんど使っていない。
現在はダイニング、キッチン、居間と水周りだけで暮らしているし、
今となってはこの間取りは無駄が多く暮らし難いと思う。
段差が気になる。
階段が急勾配で危険。
トイレが遠い、寒い、狭い
お風呂が寒い、段差がある
個室ばかりは要らない。
若い時は気にしなかったことも、高齢(私たちの年齢から入るの? )になると、住まいに求めるものが変化します。
暑さ寒さの次に段差の事や階段の勾配が気になり、古くなった水回りの不満などが出てきます。
二人ですから広い住まいの必要もなく、暮らし易さが重要になってくるのです。
住まいの環境が良くなれば暮らし易さが向上しますから、断熱性・気密性の良い住まいにすることで快適性が向上します。
“住まい手が夫婦2人になれば、住まいは小さくてよい。
平屋で快適に住める家がよい。”
階段のない平屋というキーワードも気になるのです。
建てたりリノベーションした住まい手さんは皆さん、
「こんなに快適ならなぜもっと早くしなかったのか。」
そう仰います。
思ってられるのであれば、早く始める事をお勧めします。
理由は簡単。
時間は無限にある訳ではないから、一日でも多く快適に暮らしていただきたい。
建てる場所
住む場所は、退職していれば勤務地を気にする事がないので好きな所に住むことが出来ます。
コロナ禍になってから、若い人もリモートで場所を選ばないケースが出て来ましたが、
インターネット環境さえあればどこでも暮らせる気がしませんか?
建て替えやリノベーションでなければ、田畑が広がる土地や海の近く、高台も見晴らしがよくて気持ちいいですよね。
予算は現在の住まいを処分して、好きな土地を買って建てるのもありかもしれません。
税金優遇で3000万のの住み替え特例もありますから。
場所を動かないのであれば、建替えやリノベーションするのも良いでしょう。
気を付けたいところ
この年齢でローンが組めたとしても、私的にはあまりお勧めはしません。
それに、家にお金を掛けすぎないこと。
ローンをしたことで、暮らしに影響が出るのは本末転倒ですから。
まず、愉しく暮らすことです。
私の設計経験を通して
私の設計させて頂いた住まい手さんでお話致します。
皆さん、高齢という年齢の方ですが、羨ましいくらい今を楽しんでおられます。
ケース1
広く殆ど使わなくなった部屋を沢山持ち、寒い家で暮らしてられた住まい手さん。
耐震性と快適な家を考えて娘さんの一言で建て替えが実現しました。コンセプトはシンプルな平屋で、耐震性に強く、快適で暮らしやすい家。
完成した住まいは、明るくて開放的で冬とても暖かいとのことで、もう以前には戻れない暮らしを満喫しています。
庭で畑をして、好きなバイクに乗り、毎日をエンジョイしている様子はとても羨ましいです。
ケース2
広い古民家で区域を限定してリフォームした住まいがあります。
大きな家の一部を暮らしの区域と決めて、そこを暮らし易く快適にそして明るい住まいにして愉しんでられます。 以前は昼間も照明をつけて風も通らない場所で暮らしてられました。
減築して太陽の光を取り込み、気密断熱化することで広いLDKも冬は蓄熱暖房だけでぽかぽかと暖かく、夏は通り難かった涼しい風が通り抜ける生活で、深い屋根のあるテラスで今まで見える事のなかった景色を見てお茶を楽しんでられます。 友人も良く遊びに来られていつの間にかこのテラスがお客さんの出入り口になってしまったようです。 テラスにスロープを付けておいて良かったです。
ケース3
同じようなケースですが、ご高齢のお母さんのご実家をリフォームした住まいがあります。
古民家独特の雰囲気を持っている為、定期的に演奏者に来て頂いてイベントをされているのだとか。
開放的なリビングに薪ストーブに火を入れて奈良の暮らしを愉しんでられるご夫婦です。
古民家の雰囲気は、そんなことも包み込んでくれる暖かさがあります。
遠くから娘さんも来られてみんなでワイワイと、今夜も飲もう会で楽しそうです。
ケース4
老後は田舎から街へ出て、暮らしを愉しみながら世界遺産を巡りたいと住まいを建てた方もおられます。
買い物や交通の便も良いために街の暮らしを楽しんでられるそうです。
もともと京都の田舎にお住まいだったのですが、街中へ出て来られて奈良の仏閣が徒歩で行ける距離にありますから、街の暮らしを愉しんでられるのでしょう。
ケース5
実家の母屋を建て替えて、快適に暮らしている方もいます。 狭く暗いダイニングと古い母屋を解体して、ご夫婦の為のコンパクトな暮らし易い家にしました。朝、目覚めた時、目の前に広がる田園風景は格別です。
広いリビングで薪ストーブが燃える暖かい住まいです。
毎日、農家をしながらバラ園を育てる愉しみと、家の中では大空間のリビングと広いデッキを繋いでご両親との時間を過ごしてられます。
実は、私も秘かな野望があります。
自分自身も料理が好きなので、キッチンに多人数が料理しながら食事ができる住まい^^
浅野勝義/奈の町
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木造中古住宅を購入するには、いつ頃の建物がお勧めなのか教えて。