建築家+住宅コンサルタント[一級建築士•宅建士•2級FP技能士]の浅野勝義が、住宅設計の知識や経験から住宅のお悩み相談承ります。

賃貸から分譲マンションへ住み替える際、知っておくべき5つの事

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -
詳しいプロフィールはこちら

 

 

賃貸マンションから分譲マンションへ住み替える際、知っていてほしい 5つの事

賃貸マンションから分譲マンションへと移られる方は多いと思います。
しかし、その違いをご存じでしょうか?

賃貸はマンションを借りていて、分譲はマンションを買っている。
確かに簡単に言えばその通りです。
しかし、部屋を借りている、買っているといった単純なものではないのです。
実は私も若い頃、賃貸マンションから分譲マンションへ移った一人です。
当時は、その違いをほとんど理解していませんでした。

賃貸マンションと分譲マンションの違い

賃貸マンションとは一人の所有者(家主)が各部屋部分の使用権を賃借人に貸して
いる形態で、管理は全て所有者(家主)が単独で行います。

雨漏りや外壁の劣化等建物の傷んだ所(外部内部共)の修繕や、マンション全体の
管理(清掃や植樹、集金等を賃貸不動産業者へ依頼しているケースもあります)は、
所有者(家主)が行い、この費用の一部を賃借人が管理費として負担しています。
具体的には月額5,000円とか7,000円でお家賃の他にかかるものですね。

では、分譲マンションとはどういうものでしょうか

まずは、「マンションの定義」から(区分所有法による)
マンションとは、建物自体が複数の区分所有者が所有する建物で、その区分所有者
の団体は管理組合となります。そしてそのマンションの運営は、管理組合が管理と
修繕(傷んだ部分や大規模改修)を計画的に運営します。

区分所有法で言うと、賃貸マンションはマンションに当たりません。
そして、分譲マンションは区分所有者全員で管理・運営する事になっています。

では、管理するとはどういったものなのかをこれから説明してゆきます。

 

1. マンションの価値や評価は、”立地”や”広さ”だけじゃない。管理組合の”管理”によって良くも悪くもなる

マンションの選択で一番先に考えられるのは、”立地”でしょう。
良い場所に立つマンションの価値・評価は、誰もが高いと言えるでしょぅ。

また、”広さ”についても同様でスティタスの要素があります。

忘れてはいけないのが、”管理”です。
「マンションは管理を買え」と言われるように、管理の良し悪しで価値が大きく変わる
ことを知っておいて下さい。

管理については、管理組合が全てを運営すると言いました。
言わば一つの企業体、区分所有者全員参加の企業のようなものでしょうか。
とはいえ、
その業務は幅広く、管理事務(会計事務、出納事務、維持修繕の企画・実施の調整)等は、
管理会社(マンション管理業者)に業務を委託しています。 勿論、委託せずに自分達で
管理するマンションもあります。ですから委託する管理会社も重要な要件になります。

美しい庭や整理整頓されているマンションは、管理組合により維持されているのです。

 

2.購入者(区分所有者)が管理に参加する

区分所有者全員が組合員であり、その内の理事(輪番制が多い)が理事会を運営して
マンションを管理します。

賃貸マンションでは、居住者がマンションの管理に口を出すことはありません。
建物の外観であれ、決め事であれ、所有者(家主)の決めた建物をよしとして借りて
いるからで、そのルールに則ります。

分譲マンションでは、マンションの規約・細則がルールになります。
そしてそのルールは区分所有者の合意で決めることになっています。
これらは管理組合の理事会や総会で決められます(合意の条件はありますが)

当然、区分所有者であるあなたもこの集会や理事会に参加して、管理を行う義務も
発生します。
面倒だと思わずに、自分達のマンションを暮らし易くするために参加するのは、
分譲マンションの醍醐味です。

 

3.マンションの管理費は安い方が良い? 

分譲マンションを購入する際、管理費と修繕積立金が幾らかかります。と不動産会社
から事前説明があったと思います。

もしかしたら、お安い方で決めた。なんて事は無いでしょうね。
管理費と修繕積立金が高いところとお安いところがあったと思いますが、安ければ
良いという事ではありません。(高いから良いとも言えませんが)

前項でマンションの運営は管理組合(すなわち自分達)で行うと言いました。
ここに拠出する費用が安いということは、管理組合の運営費が少ないという事です。

管理組合の運営は、通常の管理業務だけでなく、庭や駐車場、アプローチなどの
外部管理や、供用部分であるホール、廊下や階段、エレベーターといった建物部分、
給水、ポンプ、排水管、電気や通信などの設備関係、そしてある一定期間をおいて
建物の劣化を改修・補修する修繕工事等で沢山の費用が必要になります。

これを区分所有者から集めた管理費と修繕積立金を使って運営するのです。
もし、管理費が少ない場合、管理費用を削って自分達で修理・清掃したり、植栽
管理するか。そんな事になりませんか?
修繕積立金が少なくて、大規模修繕工事費が足りない場合は、どうしましょうか。

 

4.マンションは一定期間ごとに大規模修繕を行う

マンションは、長期的保全計画の基本として長期修繕計画を立て、物理的劣化や機能
的劣化を改善するために、修繕と補修工事を行います。また、12年〜15年の間に建物
の状態を見て大規模修繕工事を行います。

賃貸マンションは、外観等の吹き替えがありますし、一般住宅では住まい手の都合で
行われますので長い期間補修をしない場合もあります。
分譲マンションは期間を決めて長期的に建物を維持するために、計画的に行います。
かなり大掛かりな改修工事になり、そして大きな費用がここで費やされます。

分譲マンションが外観上劣化した建物が少ないのは、こういった長期計画的に行う
ようにしているからですね。

 

 

5.マンションの修繕積立金不足は、マンションの根底を揺るがす大問題

大きな費用のかかる大規模修繕工事ですが、区分所有者から集める修繕積立金をとり
崩して行いますから、短期間で行うと積立金が不足する可能性もあります。

新築後、1回目の大規模改修は予算があるケースが多いのですが、2回目3回目となると
大規模修繕工事に充てる修繕積立金の不足するマンションも出てきます。
もし、このようになった場合、マンションの管理組合はどのような対応策が考えられる
のでしょうか。

修繕積立金と大規模修繕までの期間が決まっていれば、計算により不足するかどうかは
分かります。その際考えられる対策は、
1. 毎月の修繕積立金の金額を(段階的に)増やす
2. 必要な金額を区分所有者全員から一時金として徴収する
3. 大規模修繕工事を遅らせる
4. 不足分を借金してそれに充てる

なんか順に怖い話になってきましたね。
でも、これは現実です。これも管理組合の運営手腕になります。

実際は、段階積立方式から将来を見据えた均等積立方式へとスライドして、安定的に
修繕積立金を増やす方法をとる方法が使われます。
新築当時は販売しやすいために管理費や修繕積立金が低額なことが多く、そのままで
行くと遅からず修繕積立金は不足することは目に見えています。

均等積立方式は、当初から一気に上げる事になりますが、その後の変動がなく、
一時金の徴収がないのもメリットだと言えます。

少し前に、管理費・修繕積立金は安い方が良いか。
そんなテーマで書きましたが、安い管理費・修繕積立金はきちんとした長期計画を
立てれば不足するのが分かります。
だからこそ、分譲マンションはそれらを考えた管理運営が大切なのです。

 

まとめ

賃貸マンションと分譲マンションの違い、分かって頂けたでしょうか。

分譲マンションは、区分所有者が管理組合の組合員として運営する。
その運営度合いで管理の評価が違います。

もし、購入しようとしたマンションの修繕積立金が少なかったり、借金していたり
している場合は、あなたがそのマンションを購入するということは、借金も一緒に
購入することになる訳です。

マンション購入は、”立地”や”広さ”だけで買うのではなく、”管理”が大切であることを
知って頂きたいと思います。

また、住まいの選択でマンションを選ぶ場合は、賃貸マンションのようなお客様では
なく、自身が管理組合に入り運営者の一員として入居する気持ちが大切です。

浅野勝義/奈の町

 

この記事を書いている人 - WRITER -
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。