建築家+住宅コンサルタント[一級建築士•宅建士•2級FP技能士]の浅野勝義が、住宅設計の知識や経験から住宅のお悩み相談承ります。

2022年、資材不足で建築価格が高騰

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プランニングの方法
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プランニングの方法

円安だけじゃない。建築資材価格が高騰

昨年の春から建材や設備機器の在庫不足で、工事が遅れています。

例えば、構造用合板。
木造軸組みの外壁に張って耐震性を上げる。
床のフローリング下地に使う。
屋根の野地板に使う。
2階床梁や小屋梁に水平に張る事で水平構面の確保する。
室内の壁にしても耐力面材や下地に使う。

厚みは変わっても構造用合板の需要は住戸1件当たり100枚なんてもんでは
全然足りない程の合板を使います。

その合板が手に入りません。
特に今取り掛かっている現場は本間と言って、柱間のモジュールが
955(945)mmや985mmと一回り大きなサイズが必要で、、その場合は
1mx2mと言ったM版(メーターバン)を使います。
需要が少ないためか、これが全く手に入りません。

壁耐力面材代用

(6/21鳥取県境港の日新で全焼する火事がありました。”山陰中央新報デジタル社より”
日新は、長尺を含む針葉樹合板の製造・販売で全国シェア約3割を占める会社で、
6/23朝の情報で、パナソニック、永大、大建、関連でNODAの建具、造作材、階段、
床材が受注ストップしたようです。)
今後の合板供給が更に心配になってきました。

更に合板ばかりではなく、国産材の高騰もあります。構造材だけでなく、
端材(小さな下地材等)も、以前の単価とはほぼ倍の価格になっており、
木材費も高騰。

ご存じの通り、設備機器も商社ルートで手に入りません。
例えばガス給湯器。半導体不足が原因だそう(?)で、通常のルートであれば
約1/3で手に入るものが、定価でも無理。

便座も現物無し、キッチンやユニットも受注停止、挙句の果てはセンサー付きの
照明器具迄手に入らないと来た。
手に入らないものはこれ以外にも沢山あります。

ネットも同様で在庫なし。
どうなっているのでしょうか。

今の現場では、昨年末に注文した食洗機が6月の今も入荷未定。
在庫の無くなったものは、入荷未定になります。
円安の関係からも海外製品の輸入は価格が更に変わりそうで不安です。

昨今の建築費高騰の話

皆さんは、昨今の建築費の高騰を既にご存じだと思いますが、ご存じない方に
少しだけお話しします。

昨年の春頃から建築費が急激に高騰を始めました。
建築を予定されていない方、それ以前に計画したが延期した方等はご存じないかも
しれませんが、建築費がえらい高騰しています。(今さら?)

下の建設費指数を見て頂きますと、2021年の5月から急激に勾配が
上がっているのが分かりますでしょうか。

昨年の2021年の3月頃からウッドショックがありました。

 

その後2021から2022年の現在まで、住宅(木造)建築費が停まることなく
ずっと高騰を続けています。
上の建築費指数を見て頂けると、2021年5月を境に直立しているかのような
価格の上昇が見えると思います。

8月最大のコロナによる緊急事態宣言(第5波)、そして年末にかけての急上昇。
あっという間に急上昇をしています。

実際、現場の工事請負も高騰しています。
工務店も今までの価格では契約してくれません。

私の感覚では、高騰前と比べて2~3割増ぐらいではないかと感じています。
2500万だと、3000万~3250万、
4000万だと4800万~5200万、
8000万だと9600万〜 (もちろん、税金は別ですよ)

これを聞いただけで、建てるのを止めようと思ってしまう気持ち分かります。
でも、実際の提示価格だと感じています。

先程お話ししました2021年5月以前にコロナ等で状況を見て建築を遅らせた方、
予算等が不足などで様子見で建築を遅らせた方、
悩みますよね。

「この状態がもう少し経てば落ち着くのでしょうか?」と、
よく聞かれるのですが、下の表を見て頂けると分かるように、
2011年からこの10年間で、建築費が下がった事はほぼありませんでした。
少なくとも横ばいか上昇になっています。

下がると考えられるのは、デフレだったからとも考えられますね。
価格交渉も出来ましたから。
今は確実にインフレ状態です。
見ている限り下がる要素が見つかりません。

 

建設物価調査会HPより2011年1月から2022年4月まで

 

今後の価格変動は、誰にも分かりません。

分かっている情報は、建材・資材不足です。
現在施工中の現場は、先行して資材を購入していたのでなんとか
回っていますが、新規で建材を探しても市場で見つかり難い事は
何も変わっていません。

むしろ今まで割引価格で購入出来ていたものが、定価でも手に仕入れ難いのですから、
やはり安くなる原因が見つかりません。

こうなると、一旦保領していた方が計画再開に踏み切るにはハードルが
高いと言わざるを得ません。

それでも金利が安いうちに家を建てる方へ進むか?
このまま様子見するか?

悩ましい選択が続きますね。

浅野勝義/奈の町

 

 

 

 

 

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