自分に合う住宅の選択〜第3回「住まいを手に入れる為の物件探し」

物件探し

物件選びをする前に住まいについて検討すべきこと

家が欲しい! 自分に合う住宅の選択
A) 自分らしい家をつくる人の選択
1.土地を買って家を建てる
2.中古住宅を買ってリノベーションする
3.中古マンションを買ってリノベーションする
B) 住宅を選びそのまま住む人の選択
1.新築分譲戸建
2.新築分譲マンション
C) 親族が所有する不動産に住む人の選択
1,親族が所有する家を改修して住む
2,両親の家を2世帯住宅にして住む

今回のテーマ
第3回住まいを手に入れる為の【物件探し】

前回のテーマでは、どんな住まいの形態が自分達に合うのかをお話ししました。
それが次の住まいの選択になるという話をしました。

今回は、住まいを手に入れるのに重要な【物件探し】についてお話ししてみたいと
思います。

物件探しとお金については切っても切り離せない関係があり、購入者が一番悩みの多い
内容ではないでしょうか。
土地探しで何年も探してられる方、運良く良い場所が手に入って建てられた方と、

土地探しはある意味 家を建てたい方の永遠のテーマかも知れません。

物件探しについては、皆さん中古住宅を買ってリフォーム、中古・新築のマンション、
いっそ好きなところへ土地を買って家を建ててみたいとどれも検討されたと思います。
どれが正解という訳ではありません。
しかし、それぞれ購入する際の注意が少し違います。

例えば、土地を買って家を建てる場合は土地探しが大きなハードルです。
良い場所は
価格も高く、それを選ぶと建築費が少なくなってしまいます。
探し始めるといくら予算があっても足りない。しかし、予算はこれ以上出せない。

皆さんこのジレンマから抜け出せないのも事実です。
中古住宅は、建物の状態が分からないし、リフォーム代がどれくらい必要なのかが
分からない。 
安くあげようとすると耐震リフォームまで出来そうにない。
中古マンションは、どんなマンションを選べば良いのかが分からない。
賃貸マンションには住んでいても、分譲マンションは分からない。
そんな方に少しでも情報を提供したいと思います。

そんな不安な気持ちを解消しようと思い、これから順に説明してゆきます。

  1. 土地を買って家を建てる
  2. 中古住宅を探す
  3. 中古マンションを探す
  4. 価格交渉
目次

土地を買って家を建てる

物件が見つかるまで

まず土地探しからお話しします。

探していた期間が3ヶ月程度で見つかる方から、3年以上経っても
まだ見つからないという方もいます。
相談者さんは”SUUMO”や”at home”等の検索サイトで頻繁に検索されているようですが、
確かに気になる物件に出会う確率は低いと思います。
これは? という物件があっても、聞いてみないと詳しい条件が分かりませんからね。
奈良住家で物件探しを依頼された場合は、レインズと不動産ジャパンが主な検索先に
なりますが、此方でもそうそう希望がピッタリ叶う物件が出て来る事はありません。
見つかれば提案いたします。
しかし、出て来ない訳ではありません。(不動産業者は売主から専任で依頼される場合、
指定日以内にレインズに掲載する義務がありますから)
要望に合う物件が掲載されれば、すぐに連絡が欲しいとエージェントに伝えておきま
しょう。 物件が見つかった時にすぐに決断し、動けるかが重要です。
その時の為に、住宅ローンの仮審査も先に受けておく事をお勧めします。
何時でも動けるように気持ちとお金を準備して待ちましょう。

土地の価格

価格については、限られた区域を何度も調べられた方であれば、ある程度その辺りの
価格相場をよくご存じだと思います。安い値段であればそれなりの理由があるし、
高いのであればその理由があるもの。割安の理由が自分達に受け入れられるのであれば、
その物件を選ぶ選択もありです。
土地の費用を聞いて悩んでしまう事の無いように、心構えが必要です。

一般的な話で言えば、街中(駅近、そして特に人気の場所やニュータウン)は価格(坪単価)
が高く、その反対は価格が安くなっています。 同じ予算だと敷地の広さが全然違います。
前回の記事で説明しました、新しい住まいには何にこだわるのかをきちんと整理して
置けば、自分達の求める方向(どういう物件を探すのか)は案外簡単に解決できます。

ここをきちんと決めていないと、例えば土地にお金を掛け過ぎて建物の予算が不足して
しまうようなことにならない訳です。
土地を見ていい所だから少しぐらい高くても…と感情で購入すると、後が大変になります。
物件探しの前にする要望整理はとても大切です。

物件探しの注意点


物件探しを始める際の注意点ですが、これ良いかも・・・と思った物件があった場合、
そもそもその土地が住宅の建築が出来るのか(法令的にも建築工事が出来るのかも)、
また、いつも話している道路の種類と幅員を確認しておきましょう。

昨今は住宅建築のできない土地を住宅地として販売するケースは殆ど無いと思いますが、
買ってみたが搬入の問題で最終的に建築できなくて諦めたというケースをご相談者から
聞きました。私には考えられない事ですが、そういう事もあるという事です。

また、接道(道路)は大切なのですが他にも案外気が付かないケースがあります。
例えば、幹線道路からずっと奥に入った3mちょっとの私道に面する土地。
こういった土地は車の行き来が出来ないばかりか、道路中心後退の制限、その上
沢山いる道路所有者とのトラブルが考えられます。
リスクを知らずに買う事と、リスクをはじめから理解して買うのとは全く違います。

と言っても実際に探されている方は、気が付かないですよね。
再建築不可は教えてもらえても、上の例などは誰も教えてくれないと思いますから。
個人の方だけで探す物件探しは、やはり難しいのかもしれませんね。

この辺りは別の動画で説明していますので、参考にして下さい。
きっと貴方の役に立つと思います。

参考ブログ

土地を見て、建築費が割高になると予想される条件を5つ紹介します
土地の調査(給排水施設の確認)。水道メーターと最終桝がありますか?
土地を見て、建築費が割高になると予想される条件を5つ紹介します。
不動産の検討時、道路から見ただけで分かる土地のチェック5選

中古住宅

中古住宅を探す

中古住宅での注意点は、建物自体に向けられがちですが、実は敷地にも注意点
はあります。
以下のどれもが中古住宅には注意です。

建物の再建築が可能か(市街化調整区域内または、接道条件の場合)

現在建物が建っているから建て替えが出来るというのは早計です。再建築が
出来ない物件や、購入者には認められない建物もあります。
再建築が出来ない物件であれば、現況の家をずっと使い続けるしか利用方法が
無く、それを承知で購入することになります。
目的がお安く購入する事であればこれも可ですが、建て替えは出来ません。

敷地に面する道路の種類と幅員

道路についても4M以上(私は原則と言ってます)で、道路の種類が公道である事
もとても大切です。 私道(位置指定道路も含む)の場合は、所有権が絡む様々な
トラブルが発生しやすく、私個人としてはお勧めしないです。

敷地の境界がはっきりしているか。

中古住宅の場合で一番悩ましいのが、隣地との境界です。
中古住宅は隣地との境界がはっきりしていない事が多く、契約前に隣家の立ち合い
時にポイントが違う等、確定した敷地が登記簿の面積より小さくなる事があります。

その他

敷地境界だけでなく、屋根や樋・建物の一部が越境(お互い)している場合や、
隣家の給排水管が敷地を通っているなどの問題も中古住宅にはあります。
また、市街化調整区域内にある中古住宅も要注意です。 その住宅が農家住宅で
あった場合は、買主は居住する事も転売する事も出来ません。

参考ブログ

中古住宅購入前の注意点11選
中古住宅の購入リスクは、見ただけでは判断できない事にあります。

敷地の次が、建物の劣化状態の確認です。

建物の劣化状態

建物の劣化状況と住宅性能を上げる為の工事が、リフォーム・リノベーション工事
である訳ですが、その工事範囲は外装、屋根、開口部、基礎を含む外部補修と、
水周りやり替えと間取り変更、雨漏り改修、床下の改修、耐震改修、断熱気密改修
等があります。
改修範囲が広くなるにつれて改修費用が高額になり、予算の都合から劣化や補修が
必要であるにも拘らずそのまま内装だけを変えるケースがあります。
マンションであれば問題ないですが、中古戸建はそういう訳にはいきません。
結局、将来もっと高額な改修費用が掛かる事になってしまいます。
特に、雨漏り改修とシロアリの対策、耐震改修、断熱気密改修は必ずやっておく事を
勧めます。 綺麗だというイメージで家を買ってはいけません。

中古住宅は同じ築20年であっても劣化の状態は全く異なります。
単に築年数で建物の状態を決めてしまわずに、インスペクション(既存住宅現況
検査技術者による)を購入前に受けて、状況を確認して、リノベーション価格を粗方
出してから購入を決めるのが良いと言えます。

中古マンション

中古マンションを購入する場合は、マンション管理が一番重要ポイントです

マンション運営が大切

マンションの所有者(区分所有者)が参加する理事会が管理運営をしている訳ですが、
実際の業務は、大抵のマンションがマンション管理会社にその業務を受託しています。
管理は区分所有者全員から徴収する管理費で運用しているのですが、この管理費が
不足していると、メンテナンス等が行き届いていないケースもあります。
購入前に室内だけでなく、建物の共用部も資産の一部ですかしっかりと見ておくのも
大切です。

2022年4月よりマンションの管理状態を評価する「管理計画認定制度」
「マンション管理適正評価制度」
という2つの制度が施行されることになりました。
現状どちらの制度もマンション管理組合が任意で行うもので、認定・評価を受ける
もので、今後中古・新築マンションを選ぶ際の一つの指標になるでしょう。

管理費が安い。修繕積立金が少ないマンションは、お得か?

お安い管理費(修繕積立金)のマンションは、ローン以外に係る費用として安くなるのは
嬉しいかもしれませんが、実は安いという事が後で困る事になる場合が多いのです。

管理費(修繕積立金)が安いという事は、それだけマンションの持っている管理費や修理、
大規模修繕費が少ない事を表します。
管理費が少なければ、日々のマンション管理費や修繕費も掛けづらく、美観も維持出来
なくなります。
また、10年~毎に行う大規模修繕に掛る費用は、修繕積立費が充てられるわけですが、
大規模修繕費が不足する場合は、修繕積立費を各区分所有者から数百万円を一時金として
徴収するか、毎月の修繕積立費を段階的に上げるしかありません。
今は安くても後で一気に上がるようなマンションではなく、計画的にある程度の管理費・
修繕積立費が長期的にきちんと組まれているマンションを選ぶ必要があります。

また、マンションを買うという事は、既に積み立てられている大規模改修費用の積み立て
分も購入者が引き継ぐことになりますが、修繕積立金等を調べないで購入すると、
物件によっては負の資産を引き継ぐことになる場合もあります。

マンションの耐震性と内部の改修 

耐震性を考える場合、昭和56年6月以降のマンションであれば新耐震以降の建物ですので、
耐震的な構造の問題は回避できます。
また内部空間(共用部分)の構造は、柱・床・壁のフレームで完結しているので、
各住戸の内部については、排水管周り以外は間取りも自由にやり替えが可能です

改修ポイントは、断熱性に重点を置くべきでしょう。 2000年以前の建物の場合、
サッシがシングルガラスであることが多く、熱損失が大きい為に断熱性能が低く
夏暑く冬が寒いと言えます。 改修時は、外部サッシの内部側へインナーサッシ等
の設置と、外壁面内側にはしっかりとした断熱を考えて置くと良いでしょう。

価格交渉

物件の価格交渉についてアドバイスさせて頂きたいと思います。

購入希望者のタイプは2タイプに分かれるのではないかと。
1つは、新しく登録された物件をいち早く手に入れようと探している人。
もう一つは、既に出ている物件をじっと値下がりするのを待っている人。

物件購入を考えた際、価格交渉を行うのですが、どの物件でも出来ると言う訳では
ありません。 実は交渉が出来る物件と出来ない物件があります。

Aさんは毎日netで検索をしており、掲載したばかりの物件を探しています。
新しく売り出された物件を見て、購入を掛けようと連絡をしました。
「この土地は、路線価格からみて少し割高だと思うので、○百万円お安くしてほしい」
と、交渉されました。売主側から考えれば分かる事なのですが、売り出したばかり
のタイミングで、購入希望者からいきなりの価格交渉です。
どうでしょうか、出したばかりで一方的に安く売ってくれと言われても…
今回は売らずにそのままで買ってくれる人を待とう。
と、なりますよね。
ですから、出たばかりの物件を価格交渉するタイプのAさんは、購入するのは難しいです。
それを狙うのであれば、少しだけでも交渉してダメならそのままの価格でも買う。
これくらいの気持ちが無ければ確実に購入するのはは難しいです。

反対に、以前から出ている物件だけれど、じっと見ていて下がるのを待っていたBさんは、
今回少し値下がりしたので、もう少し交渉価格を入れて購入したい。
「以前からずっと見ていたのですが、今回価格が下がったのを機会にもう少し下げて
頂ければ買いたいのですが」
こう、相談されれば、売主は長い間売れなかったことだし、今回買ってくれるならいいか。
となる可能性が高い訳です。
実際、この様な感じでBさんは購入出来ました。

買主も人なら売主も人。

売り出したばかりでいきなり価格に難癖付けられたら、誰でも嫌な思いになりますよね。
交渉が可能なのは相手が焦っている、もしくは長い間待っていた場合等の買い手が優位に
立っている場合にのみ成立する条件なのです。

まとめ

今回は”物件探し”について掘り下げてみました。
物件探しを経験された方は、きっとこの項目のどれも検討されたことだと思います。
しかし、物件の探し方はその目的毎に調べ方や注意点は異なります。

“パッ”と見て、いい感じだから。
は、初めのイメージとしては大切な事ですが、よくよく調べてみると、
とても購入出来るものではないという事があります。
これも、調べたからわかったことで、調べずに購入すればどんな事になっていたか。
想像するだけでもぞっとしますよね。

今回紹介した内容は、そのうちの一部でしかないのですが、出来るだけ事前調査を
忘れずに、調べて大丈夫であれば出来るだけ早く購入のアクションをする。
良い物件が見つかれば、しっかり調べてリスクも確認する。
大丈夫であれば、購入に向けて動くのみ。

買うと決めた上で価格に難癖付けている人は、ずっと売れていない物件でない限り、
相手からも断られてしまうか、他の人に買われてしまいます。

心配事を回避したいのであれば、信頼できるコンサルタントか専門家に相談するのが
最良の方法です。

浅野勝義/奈の町

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