土地の調査(給排水施設の確認)。水道メーターと最終桝がありますか?

土地の調査(給排水施設の確認)。水道メーターと最終桝がありますか?

土地探し・土地購入を考えてられる方へ。

以前、給水メーター、排水桝について道路から見た際に判断できるブログとして

不動産の検討時、道路から見ただけで分かる土地のチェック5つ

で、ご紹介いたしました。

今回は、給・排水施設についての質問について、多数お答えいたします。
そして、最後にプロの設計者が調べるチャートも公開します。

住宅の給排水に特化した保存版です。

質問
「敷地に最終桝がない。」
「購入予定の敷地に、水道があるのか、公共下水になっているかを知りたい。」
「どちらも入っていない場合、水道と下水を引き込むのにどれくらいの費用がいるのか。」
「中古住宅の物件説明では、入っているが13mmと言われた。これってどういう事?」

全て説明しますので、内容から確認してくださいね。
読めば分かる様にしています。(したつもりです)

では、始めます。

物件概要書を確認します。

不動産会社にて物件を紹介してもらう際、紹介物件についての物件概要書を受け取ります。
この物件概要書には土地や建物(中古住宅)についての地図、住所やその価格、土地の広さや
法律に関する情報が明記されています。
(物件概要書については、次回詳しく説明します)

はじめは物件概要書をみて、内容チェックをします。
実際の物件概要書を見て説明します。

*物件概要書写真*
土地の調査(給排水施設の確認)。水道メーターと最終桝がありますか?

物件概要書にある、「給水」と「排水」の項目を見ます。

排水は、公共下水(接続要)と書かれており、これは公共下水区域ではあるが、敷地からの接続がされておらず、接続工事が別に必要であることを示しています。公共下水どけ表示されていれば一般的に最終桝まで設置済と理解してよいでしょう。

給水は、給水(接続要)とあります。 これは給水管は道路内に敷設済ですが、敷地内には引き込みがなされていないことを示します。 給水表示のみであれば給水管の引き込み済であり、メーター径の表示もあると思います。ない場合は確認する必要があります。

以上、物件概要書の情報はこれだけです。

土地の調査(給排水施設の確認)。水道メーターと最終桝がありますか?

左のBOXが給水メーター、右の半分土に埋まっている蓋が最終桝です

次の調査は、

現地と地方自治体の給水・排水各課で調べます。

給水について

〇市町村の給水図面を確認します。
地方自治体のむ給水課で閲覧できますので、現地の場所を言えば確認出来ます。

〇敷地に引き込まれている給水管の径とメーター径を確認します。
■引込管とメーター径は違います。
引き込み管は道路から敷地内のメーター迄の管径で、メーター径というのは敷地内の入口で設置されたメーターの口径を指します。

■一般に住宅ではメーター径20mmが必要です。
① 20mmまでは水栓10口まで
② 13mmは水栓5口まで
ちなみに奈良県内でも口栓の数にとらわれない市町村も少ないですがあります。その代り水道からの水量が少なくても苦情を言わないことが条件なのですが。

〇メーター径によって分担金が必要になります。
各地方自治体によって水道施設分担金(給水分担金等表現は異なる)やが異なります。
メーター径20mmで平均20万~25万程度です。

〇メーターの権利は、基本的に土地についているものと解釈しています。 ですから所有者が変わればメーターの権利者も変えることが出来ます(変更の申請は必要です)。
ただし、平群町は個人についている珍しい市町村で、個人(不動産業者)が20mmのメーター権利を幾つか持っているなんてケースがありました。
私の体験に基づく話ですので、もしかしたら業務を行った事の無い地域ではあるのかもしれません。

〇市町村の給水図面に表記が無くても、現地に実際設置されている場合もあります。
ただ、給水の開栓と支払いの部所には記録があるのが不思議です。
記録部署と請求部所のつながりが完全ではないだけだと思いますが、調査では台帳にないのに現地にあるのが不思議ですね。

排水について

〇市長村の公共下水図を確認します。
の下水課で閲覧できますので、現地の場所を言えば確認出来ます。

〇公共下水が来ていない場合

■公共下水のない区域は浄化槽処理となります。
購入時に放流先を確認する必要があります。
浄化槽の種類
単独式は汚水のみを処理します。現在は合併式に変更する必要があります。
浄化槽は、汚水と雑排水を合流する合併浄化槽となっています。

■現地が下水整備予定区域にはいらなければ設置の補助金が出る可能性があります。
市町村によっては撤去費用も出ることもあります。
補助金は市町村の予算で年間予算として組まれているので、申込順になりますので注意してください。

〇公共下水区域内
■道路境界付近に最終汚水桝が設置されているのを確認すること。

■敷地内の雑排水と汚水を最終桝で合流させて、下水へと放流するルートになります。
■基本的に敷地1つに1か所最終桝は設置されるものです。
敷地を分割した場合は設置されていないことがあります。
最終桝までは市町村の管理範囲内。
最終桝から敷地内部は、所有者の自己管理範囲になります。

■開発許可にて下水管を敷設したブロック(建売住宅地等)は1敷地に1つ設置義務アリ
新しく公共下水管を敷設した区域は、各戸が最終桝を設置の後下水管へ接続することになります。

■公共下水の使用料は、給水使用量で算定します。まあ、飲んだ分を出すと考えているのですね。

給水と下水桝を設置するための工事費

■給水管と下水管の位置と深さによるが、一般に60万~100万程を見ておく必要があります。
・給水管の深さは一般に同じと考えてよい。
・下水管は深さがまちまち。
・道路掘削後の舗装復旧費が、道路の種類によって仕様が異なるので舗装に要する費用は大きく変動する。
・上下水管が道路の反対にある場合は、復旧範囲が全幅の復旧範囲になる。
・前面道路の所有者にも注意が必要です。 道路の敷地前が公共所有でない場合は、所有者の承認が必要になります。

■給水分担金は、工事費とは別に必要。
各市町村の給水分担金(20mm)の一例

奈良市209,000円、香芝市219,000円、広陵町230,000円。
但し高低差の大きい地域は少し割高になっているようです
平群町は424,000円、三郷町368,000円、王寺町385,000円

土地の調査(給排水施設の確認)。水道メーターと最終桝がありますか?

まとめ

経験からお伝え出来る事

〇私は現地を見た後に市町村で調べる事が多い。

〇しっかり調べることは大切。敷地前道路の給水管径が細くて分岐できないケースがあった。

〇中古住宅の場合で既存給水メーターが13mmの場合。

■引き込み管が13mmの場合は、本管から20mmの引き直しが必要になります。
・工事費が増える。
・引き込み時期が古い場合は、鉛管を使用している場合かある。

■20mm分から既存13mm分の差額を支払うのみで変更可能。

■引き込みが20mmでメーターが13mmの場合もあります。
・困ったことに台帳に記載無い事も多い。

■中古住宅の場合は、13mmが多い(というか、古い建物は13mmだと考えてよい。)
・お金のかかる事なのできちんと確認する必要があります。

保存版 給水・下水の調査方法

保存版 プロの設計者が調べるチェック項目を公開します。

給排水のチェック項目

給水

〇敷地内に引き込みがあるか
・無い場合は道路内の給水本管の有無とその管径を確認
・ある場合、給水本管の位置(道路のどちらか)
そこから引き込み費を算定する。

〇引き込みのメーター径は?
・13mmなら引き込み管径を確認
・20mmなら問題なし
・一応、権利(所有者)も確認しておく

下水

〇下水処理区域内で敷地内に最終桝の有無
…有りは問題なし
…無い場合
〇現地にあるかどうかの確認
〇下水本管の位置と深さを確認
〇接続・設置費用の算定

処理区域外
〇合併浄化槽への変更 …補助金の有無を確認
〇既存の単独浄化槽があり …そのまま使用する。将来的に問題はあるが次回に改修を伸ばす
〇合併へとやり替えをする
…建物内部の排水管をやり替え
…既存の浄化槽の処分が必要
〇下水処理整備予定区域に入っているかの確認
…入っていれば待つか自費でするかを検討
…入っていなければ補助金で設置を考える

これだけ調査して置けば、大抵の場合は問題ないと思います。
現地で気になる事があれば、その感を辿ってそれも追加で調べます。(これは経験の感かな?)

以上

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