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道路と敷地に高低差がある土地は、平坦地と比べてお得なのか?

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道路と敷地に高低差がある土地は、平坦地と比べてお得なのか?

 

敷地が道路より上がっている土地と平坦地の価格が同じの場合、どちらがお得か分からない

住宅団地での購入を検討でこの様なご質問がありました。
『道路を挟んでフラットな土地と、1段(1.5m位)上がった土地がありますが、どちらが良いか判断がつきません。』

丘陵地で分譲されている住宅地は、道路を挟んで敷地が高い区画と道路とフラットにな る区画がどうしても出来てしまいます。

例えばこの二種類(敷地が道路面とフラットな土地と、敷地が道路面より高い土地)が 売りに出ている場合、購入価格をどの様に判断すればよいかを、検討してみたいと思います。

 

道路と敷地に高低差がある土地は、平坦地と比べてお得なのか?

道路と敷地に高低差がある土地は、平坦地と比べてお得なのか?

まず、メリットとデメリットを考えてみましょう。

メリットは、
敷地が道路より高くなっている場合は、道路面の見晴らしがよい、視線の抜ける距離が取り やすい、日当たりが良い等があげられます。
道路面にフラットな敷地は、道路からの出入りが良いので計画し易いのがあげられます。

デメリットは、
高くなっている敷地は掘り込みの駐車場と玄関までの階段が必要で、造るには掘削してからコンクリート擁壁工事が必要になります。
フラットな敷地は、道路を歩く人との視線が合いやすい。

検討してみると駐車場の有無に大きな差がありそうですね。
では、具体的にどれ位の費用が要るものかを計算してみます。

条件
道路と敷地の段差は1.5M。
コンクリート擁壁を道路面以外の3面を造る。
土間床はコンクリート厚18cmを打設、仕上げは無しでコテ押さえのみ。
玄関までの階段は擁壁に含むと考える。

○土の処分代(掘削費は処分代に含む)
車1台:3mx5mx2.0m=30m3 30m3x8500円=25.5万円
○コンクリート擁壁代
擁壁代 H=1.6m:L=13mx10万=130万
○土間コンクリート代(鉄筋・左官代も含む)
土間コンクリート 3mx5mx0.18×44000円/m3=12万
合計 25.5+130+12=167万円
ちなみに自動車2台分の駐車場を造る計算では、約220万円となりました。

次に建物の1階の玄関ポーチ高さまでの段差を考えてみます。

フラットの敷地は地盤面より70cm程度の高さに比べて、1.5m上がった敷地は道路面より約2.2m上 がった所が床の高さになります。
玄関ポーチが床より20cm下がっていたとしても2.0mありますから、もし車椅子用(介護者付き で1/8勾配を設定)のスロープを造る場合だとスロープの区間が16m以上必要になります。
敷地に余裕があれば問題ありませんが、一般的な40~60坪程度だとスロープに要する面積 として大きすぎますね。

フラットな敷地の場合は、駐車場擁壁に要する費用は必要ありません。また、スロープも現実的 な距離(1/8勾配で僅か4mあれば)で設置可能です。

次にもし、敷地が道路より低い場合(あまりありませんが)はどうでしょうか。
車のスペースを造るだけの場合は削る場合の逆ですから擁壁の費用は同じ程度と考えて良いと思います。
しかし問題点は、排水関係にあります。

敷地が道路より低い場合は、道路からの雨水が流入してくる可能性が考えられます。 更に一般的に道路は時代と共に嵩上げしてくるものですから将来を考えても良くありません。 また、汚水雑排水を考 えると、敷地内最終桝から道路内の下水管へは逆勾配となってしまいます。 最悪の場合ポンプでの汲み上げが必要 になります。

一般的にはこれらを考えると敷地全体を擁壁で嵩上げする事になりますから、擁壁の範囲は敷地全体になり莫大な費用になります 。 おまけに全てが盛り土ですから地盤は軟弱になりますので地盤改良も必要になります。
道路より低い土地には、良い所が見当たりませんね。

 

まとめ

地盤の高い敷地は、当初からフラットの駐車場スペースがあり、改修の必要が無いのであれ ばOK。
1台分を2台分へ擁壁の改修が必要であれば、改修は持ち出し(やり直しもあり得る)。
駐車 場が無ければ高低差や条件にもよりますが150万~300万程度の費用が別に掛かるといえ ます。

また、玄関までのスロープや階段が必要になる事を注意する必要があります。 スロープが 敷地に設置可能かどうかも初めに考えておいてください。 ご高齢の家族がいる場合(将来 自分達も必要になる事も)は、毎日の生活を考えるとあまりお勧めできないですね。

そういった意味では道路面にフラットな敷地はこれらの築造部分がありません。
視線などのデメリットを考えたとしても、コスト面では道路とフラットな地盤の方がコスト パフォーマンスが高いと言えるでしょう。

【私の実体験】で言えば、コンクリート擁壁の設置(特に1M以上)は、コストが高額になります。
奈良県では50cm以上の擁壁は、コンクリートブロックでは認められておらず、コンクリート擁壁 になります。 段差が1Mを超えると計算も必要になりますのでご注意ください。

1つ注意点があります。
敷地内にある隣地又は道路との間に積まれた石積みや間知石で造られている擁壁は、購入前にその安 全性を確認しておく必要があります。 建築士が安全を確認してくれるわけですが、擁壁面 がずれていたり膨らんでいるような擁壁は、安全性に問題がある可能性が高いです。

築造時の検査証等があるかどうかの確認もしておくと良いでしょう。

私の経験では、この安全性を確認できない為に築造し直したケースがあります。 既存の間知石 を撤去して新しい擁壁の造り替えは、とっても高額の費用が掛かります。コンクリート擁壁であれは更に高額となります。
敷地内に擁壁がある場合は、その辺りの事も理 解した上で購入をして下さい。

 

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