建築家+住宅コンサルタント[一級建築士•宅建士•2級FP技能士]の浅野勝義が、住宅設計の知識や経験から住宅のお悩み相談承ります。

不動産の購入申込書とは? どんな時に出せばいいの?

WRITER
 
不動産の購入申込書とは? どんな時に出せばいいの?
この記事を書いている人 - WRITER -
詳しいプロフィールはこちら

 

不動産の購入申込書とは? どんな時に出せばいいの?

 

長い間物件探しをしていたある日、「これは!」という物件にたどり着いた時。

一刻も早く売主に連絡をして購入の意思表示をしないと、同じ物件を狙っている
別の買主に買われてしまうかもしれない。
そんな気持ちの焦りが心の中を駆け巡っている・・・。
そんな時、貴方は最初になにをすればいいのでしょうか。

そんな経験、私も実際にありました。

まず、物件がまだあるのか、購入が可能なのか。
可能であるなら幾らまで交渉できるものなのか。
不安と焦りで自分を自制するのが大変でした。

私は翌日朝から必要な情報と調査を済ませ、問題ない事を自分で確認してから
不動産屋さんに連絡を入れ、直接伺ってその場で購入申込書を書きました。

専門家の私もその時はドキドキでしたから、物件が見つかった貴方の気持ちの
高鳴りはよ~く分かりますョ。

今回のテーマは、長い間探していた物件が突然見つかった際、まず初めに行う
行動として購入申込書(買い付け証明は同じもの)について、解説してゆきたいと思います。

購入申込書とは

不動産購入申込書

不動産購入申込書

購入したい物件を見つけた際に提出する書面で、この書面をもって「売主に対して
物件を購入する意思を売主に意思表示」する買主の行動です。

この効果は、 物件購入の交渉を優先的に得る為です。

ひな型は不動産会社にあり、買付け証明や買付け申込書はそれと同じものです。

 

購入申込書とは

1.売買契約書とは別物

2.申し込みのキャンセルはできます
ペナルティはありません。とは言っても不用意にキャンセルするのは信用に
影響します。
また、期限は売買契約するまでがその対象になります。

3.購入申込金を添えて申し込みしますが、これは必須ではありません。
金額は一般的に5~10万円で、キャンセルになった場合は返金されます。

4.宛先
仲介の場合は仲介業者、直接売主が募集している場合は売主宛てになります。

 

申込書の内容

購入希望額

売り出し価格とかい離していると、頭から断られる場合もあります。
価格交渉はここに記載します。
希望価格が通らない場合は、口頭で価格交渉行う事になります。
提示価格が変わっても、書き直しの必要はありません。

対象物件の情報

物件の所在地を明記します。
また、敷地面積や建物面積等(マンションの場合は部屋番号まで)を記載します。

手付金

手付金は購入価格の5~10%が相場です。
注意点として、売買契約時には住宅ローンを受ける前に現金で用意する必要が
あります。 また、手付金は購入金額に含めます。

売買契約日

契約日を締結する希望日を記入します。
日程は、購入申し込み日から1週間~10日程後の良い日を記載します。

引き渡し日

物件の引き渡しを希望する日を記載します。
ローン手続きや、お金の準備等を考慮し、建築があればその期間も考慮します。

有効期限

有効期限も決めておく必要があります。
無期限と言う訳にはいきませんので、長くて1ヶ月程度が良いでしょう。
住宅ローンの審査も含めて期間を決めておきましょう。

住宅ローンの利用有無と借入予定金額を記入します。

ローンがあればその事を記載します。
ローン解除条件があれば、ローンが通らなければ契約は解除となります。
融資機関の欄には決まっていれば銀行名記載し、決まっていなければ候補の
金融機関を記載(複数可)します。
同時に、ローンの事前審査も進めておきましょう。

その他条件

例えば、有効期限、住宅ローン特約等

 

売買契約の成立には…

口頭でも当事者同士が合意すれば契約は成立します。 しかし…
買い付け証明の提出だけでは売買契約は成立していません。そこで契約書を
作成して売買契約を交わすことが必要になります。

 

 

購入申込書の注意点

 

条件の提示について

1.提示価格ではなく、購入希望価格を記載します
2.希望価格が売り出し価格から大きくかい離している場合は拒否もあります。
3.どうしても欲しい場合は髙いめに記入も有効です。

自己資金の整理

1.予算組みを正確に考えましょう。
2.手付金は契約時に現金で必要です。期間が無いので注意が必要です。
3.建築会社との工事契約時には、契約金又は着手金も必要になります。
4.その他、諸手続き・税金・登記等の諸経費は現金で必要です。

提出前に可能であれば物件の調査を済ませておく

1.行政調査(建築基準法令・都市計画制限・道路の確認等)
2.給排水(給水管・排水施設・ガス等のインフラを確認)
3.法務局で所有者や権利関係の確認

インスペクションの利用について

1.既存住宅瑕疵保険への加入
売買契約前にインスペクションを受ける事が必要です。
2.売主業者の斡旋等があっても、最小限の簡易な調査もあるので注意が必要。
買主側で住宅診断を行う必要があります。
3.調査費用は10万程度。 購入出来なかってもこの費用は負担する必要あり。
リフォームの改修工事費算定の為の2重チェックと考えておいても良い。
中古物件購入+リフォーム一体ローンを受ける場合、工事費が先に必要。

 

 

まとめ

 

1.買い付け申込書の意味
物件を購入する意思を売主に意思表示する事です。

2.申込書は売買契約書と違って、キャンセル可能ですしキャンセル料は掛かりません。

3.買い付け申込書の書式について、詳しく説明しました。

4.購入希望価格について、売主の想いと大きくかい離している場合は交渉にならない
 場合があります。

5.売買契約時は手付金(現金)が必要。 承諾があってから日数が無いので注意が必要。

6.可能なら事前に物件の調査を行っておくことを勧めます。
土地であれば敷地の調査、中古住宅であればインスペクションが重要です。

 

関連リンク

不動産の仲介は、ナラスミカ
住いの設計は、奈の町

blog link
木造中古住宅を購入するには、いつ頃の建物がお勧めなのか教えて。

土地を見て、建築費が割高になると予想される条件を5つ紹介します。

「不動産(中古住宅)の建物調査」ってどんな事を調査するのですか?

物件探しは、先に見に行かず予算を組んでから探すこと

不動産広告に載っている物件は、他の不動産業者でも買えるの?

中古住宅購入前の注意点11選

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。

Copyright© 浅野勝義BLOG 「さあ、住まいの話をしましょうか。」 ,    2008-2023 All Rights Reserved.