建築家+住宅コンサルタント[一級建築士•宅建士•2級FP技能士]の浅野勝義が、住宅設計の知識や経験から住宅のお悩み相談承ります。

注文住宅を建てる時、自己資金が少ない場合の対策を解説します。

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注文住宅を建てる時、自己資金が少ない場合の解決方法 4選
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注文住宅を建てる時、自己資金が少ない場合の解決方法 4選

「土地があって注文住宅を建てる際、自己資金が少ないと工務店さんに
支払うお金が足りなくなります。 
そんな場合はどうすればよいのでしょうか。
また、住宅ローンでは間に合わないと聞きましたが、何故でしょうか?」

こんな質問をお請けしたことがあります。

自己資金のみで家を建てられたら困りませんよね。
実際こんなケースはとても少なくて、大抵の方は住宅ローンで家を建てる事になります。
政府も住宅ローンの金利負担が厳しいだろうという事で、住宅ローン減税を行っている訳ですし。

では、注文住宅を建てる契約をした際に支払う【着手金】や【中間金】をどうすればよいのかを見てゆきたいと思います

注文住宅を建てる時、自己資金が少ない場合の対策を解説します。

こんな場合はどうすればいいのでしょうか。
○自己資金が少ないので、工務店に支払う着手金・中間金が支払えない。
○住宅ローンを組むのだけど、着手時と中間時にお金を借りれるの?
○そもそも銀行ローンの融資が実行されるのはいつ?

順を追って解説いたします。

工事が始まると【着手金】、上棟が済めば【中間金】と工事契約書には支払い時期と金額が決められています。
自己資金が少ない場合は、着手金でさえ足りないのにどうすればよいのでしょう。

そもそも住宅ローンは完成後に一括で支払われるものです。

住宅ローンは建物が完成し、表示登記が済んだ後で抵当権を設定できる段階でローン実行されるので、建築中に融資されるものではありません。

では、この工事期間中に支払う工事代金のお金はどうして用意すればよいかをご紹介します。

方法は幾つかあります。
ご存知の事もあると思いますが、順に説明いたします。

注文住宅を建てる時、自己資金が少ない場合の解決方法 4選

注文住宅を建てる時、自己資金が少ない場合の解決方法 4選

対策1 親や祖父母に住宅資金援助を受ける
対策2 着手金・中間金の支払い金額やその時期を工務店に相談する
対策3 つなぎ融資を受ける
対策4 分割融資を受ける(りそな・京都銀行)りそなでは分割実行
順を追って詳しく説明いたします。

対策1 親や祖父母に住宅資金援助を受ける。
一般に(私は納得していませんが)、着手時30%、中間時30%、そして完成時に40%の支払いが多いようですが、頭金とご両親に援助頂いた費用が建築費の60%あれば、完成時に銀行からの融資で一括決済が
可能になります。
と言いましても、例えば2200万の建築費でも1320万が必要になりますが・・・
援助でなくても一時的に借りることが出来るだけでも同じ効果です。
ちなみに、ご両親又は祖父母から住宅資金の援助を受ける場合は、住宅取得等資金の贈与税の非課税枠が一定金額まで無税です。

住宅収得の為の資金に係る贈与税非課税処置  国税庁ホームページより

消費税10%で住宅を購入等される方 (建売住宅等)

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日 3000万円 2500万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1500万円 1000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日 1200万円
改正 1500万円
700万円
改正 1000万円

下記ロ以外の場合 (個人間売買等)

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成28年1月1日~令和2年3月31日 1200万円 700万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1000万円 500万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日 800万円
改正 1000万円
300万円
改正 500万円

※1 一定の耐震性、省エネ性能又はバリアフリー性能を有する住宅
主な条件 ① 受贈者が贈与者の直系卑属である事、20歳以上である事、合計所得金額が2000万円以下である事。
     ② 自ら居住するための住宅(贈与年の翌年3月15日までに入居)、床面積が50㎡以上240㎡以下 等

対策2 着手金・中間金の支払い金額やその時期を工務店に相談する。
これは私の事務所でも実際に行っています。
自己資金が少ない場合や、ご両親からの借り入れ・援助分が着手金と中間金に届かない場合(実際60%も持っていませんから)、用意できる費用で工務店さんへお願いする方法があります。
ハウスメーカー等の営業マンのいる会社は難しいと思いますが、地元の工務店さんであれば、交渉できる可能性はあると思います。
これは、《当たってみる価値がある》程度で考えてください。

対策3 つなぎ融資を受ける。
初めに住宅ローンは完成引き渡し時に出るとお話ししました。
では、その間に必要な資金はどうするか。
住宅ローンを受ける銀行で、「つなぎ融資」を受けて、支払います。
つなぎ融資についての詳しい説明は、次回のブログで説明させて頂きますが、ローンが始まるまでの期間を無担保で借りる融資でこの費用で中間金等の支払いをします。
勿論、短期融資で金利も高く、事務手数料もかかります。

対策4 分割融資を受ける。
分割融資とは、文字通りローンを分割して必要なタイミングで必要な分だけ支払いを受けると同時にローンを実行するローンです。
全体の融資枠を取って、そこから 手時、中間時等の支払い時に合わせてローンを分割実行します。
理屈上、融資と同時にローンの支払いが始まる訳ですが、家賃を払っている場合だと負担が厳しいので、支払いを最終の実行時まで延期する事も可能です(その間の金利は掛かりますが)。.
分割融資については殆ど情報が無く、知っている限りではりそな銀行と京都銀行が対応して頂けるようです。
(りそな銀行:分割融資はネット住宅ローン分割融資にて対応)

私の経験として

『ご両親からの援助』に際しては、必要な分を借りるケースが多くありました。ローンが決済すれば返金出来るので、それまでの間を借入したいという事で。
『工務店への支払い』については、私の事務所での実例として、工務店への支払い時期と支払額を交渉して少なくして頂くケースが多くありました。実際に着手時の200万で完成まで待って頂いた事もあります。
(その期間の金利は負担しましたが)直接住い手さんからの交渉では難しいと思いますが、交渉の価値はあります。

『つなぎ融資』についてですが、金利が高いのでつなぎを受けるにしても、出来るだけ短期間で借りる様に支払い時期を後ろへずらすことも効果的。着手金を少なく、中間金をその分増やすなどをする方法もあります。

『分割融資』については、一度ローンを受けられた住まい手さんがあります。京都銀行で融資枠を取ってもらい、そこから必要分だけ出して工事の支払いへ使えるようになっています。
自由なタイミングで融資を受ける形なので安心だったと聞いています。

まとめ

私の考えをお話致しますと、そもそも着手で30%、中間で30%もの支払いは、工事の進捗を考えると支払い過ぎと考えます。おまけに60%を支払ってもその家は自分のものではありません。
上棟時の時点で工事代金の60%も支払った後、最悪工務店が倒産すれば、再建は不可能でしょう。 残金が無いうえに建物は債権者のものですから。

以前、建築中に倒産となった事がありました。 この時倒産前に情報を頂き弁護士と直接交渉をして現状建物の買い取りを交渉しました。
支払い過ぎが無い状態でしたので、買取の交渉も何とか解決しました。
その後、私が間に入り各工事業者へ直接発注して完成まで漕ぎ着けたケースがあります。
対応が遅れていれば、建物が債権となり住い手は債権者との話し合いが着くまで手を付ける事が出来なくなります。
昨今では施工会社の倒産の話は殆ど聞かなくなりました。 しかし、施工会社が倒産しても建物は貴方のものではない事に注意して下さい。

建築の契約【着手時】は、地盤改良と基礎工事までの費用しか掛かりません。
その後の着工から上棟までは、1か月から1.5ヶ月で進みます。
工事期間が5~6か月は掛かるうちの僅か1.5ヶ月で工事代の6割を支払う
事になるのです。
住い手がどれだけ不利であるのかを知っただけでも、このブログを見て頂いた価値はあると思っています。

次回は、つなぎ融資について詳しい話をさせて頂きます。
お楽しみに。

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