浅野勝義[一級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士]が住宅設計30年100件以上のスキルや経験を、建築や不動産、資金計画など発信しています。バイヤーズエージェントとしても活躍中!

想いをカタチにする家づくり 第3回間取りのチェック11選(動画あり)

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間取りのチェック11選
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間取りのチェック11選

2021.02.03 馬見丘陵公園の梅林

 

想いをカタチにする家づくり

これから家づくりをする方に、家づくりの注意ポイントをお伝えしたいと思います。

住まい手さん主体でお話ししたいと思いますので、進め方や考え方等を知って頂くだ けで
家づくりの見方が変わると思います。

このお話が、愉しい家づくりのお手伝いになると嬉しいです。

 

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想いをカタチにする家づくり 間取りのチェック方法11選

 

家づくりで設計担当者から受け取ったそのプランには、貴方の想いが入っていますか?

 

家づくりの会社は選べても、設計する人は選べなかった貴方に、
私の設計経験から、家づくりの間取りをチェックする方法をアドバイスします。

そのプランの暮らし易さはどうですか?
イメージできますか?
そして、敷地の良い所は生かされていますか?

この方法は、更に住みよい家になるためのチェックとして使ってほしいと思います。

 

間取りのチェック方法11選

 

1. 自分たちの想いがしっかり取り入れられていますか

第1回にお話ししました「想いの伝え方」ですが、その内容がちゃんと伝わっていて、
考えられたプランになっていますか。

そのプランから伝わるイメージは出来ますか?

そして、もう1つあります。

要望内容が組み込まケれているのは当然ですが、
そこに更に貴方がワクワクするような提案があると、なを良いと思います。

毎日の暮らしが愉しくなること間違いありません。

 

2. 家事動線は使いやすいですか?

例えば洗濯物干しへの動線を考えてみます。

洗濯機から取り出された洗濯物はハンガーに掛けられ、それをパイプへ
掛けて行きます。

掛けられたパイプを束ねて物干し場へ直行し、ハンガーを物干しパイプへ
引っ掛ける。

次は反対に取り込んだ洗濯物を整理し、如何に手際よく収納するか。
これにこだわった住まいもあります。

また、勝手口から外のごみ置き場と、ゴミ出しルートもしっかり考えられて
いるか。

屋内の家事動線ばかりに気をとられず、屋外もチェックしておきましょう。

 

3. 道路に面する玄関ドアを開けると家の中が見えないですか

道路に面している玄関ドアを開けると、家の中が丸見えなんて家があります。
それはちょっとどうかと思いますよね。

もし、道路面に玄関が面しているならば、家の中が見えないようにする配慮が
必要です。

また、アプローチ先の玄関の前に人がいたりすると怖いですから、外からでも
確認出来る事も必要です。
アプローチが長い趣のある家は、その反面防犯面にも注意が必要なのですね。

実例をご紹介します。

実例1

現地は狭い道路の街中なのですが、人通りが多く道路面に大きな開口部を
設けると家の中が丸見えになってしまいます。

その為に道路面には格子戸が1つだけのデザインとし、中にある玄関ドアを
開けていても風が流れる工夫をしています。
格子ドアは鍵を掛けられるだけでなく、外から家の中が見える角度に視点が
ずれると格子によって中が見えなくなるように寸法を決めています。

勿論採光は、建物内部に空間を採って、通風と同時に確保しています。

間取りのチェック方法11選

 

実例2
左手から植樹を中心にアプローチで回り込み(植樹でアプローチを囲む予定)、
玄関へと繋がる訳ですが、道路からは正面に玄関が向く形になります。

その為に玄関前には連子格子を設けました。
この格子で玄関ドアを開けても中は直接見えないようになっています。
また、ドアの前に人が立っていても外から分かるので防犯面も安心です。

間取りのチェック方法11選

実例3
道路からかなり奥まった場所に建てた住まいで、玄関の前に格子戸を設けました。
格子戸はフリーで可動出来ますが、玄関ドアの前にあるだけで、視線は一旦ここで
止めることが出来ます。

格子戸を動かし、玄関ドアを開けても家の中はその奥にある中庭が見える様に
計画しています。

間取りのチェック方法11選

 

4. 陽の光が入り、風が家の中を通り抜ける計画でしょうか。

住いの計画には、陽の光が入る事と風が家全体を通り抜ける事が大切です。

陽の光は、ただ入って来るだけではガラス張りにすればよいのですが、それでは夏に
室内が暑くなるだけで、光の量をコントロールする必要があります。

実際には夏の強い日差しを軒や庇で遮る事や、冬の暖かい日射を室内へと取り入れる事の
両方を兼ね備える必要があります。

その為に南面でしたら夏至と冬至の太陽高度を確認して、断面に投影することで
光のコントロールをします。

また、明るさで言いますと北側でも十分あることが分かります。
特にデッキや縁側などを南面に作るのがセオリーの様に思いますが、夏の日差しの暑さ
から逃れるために南側にデッキやテラスを作ることがあります。
これ、とても気持ち良くて、風が通り抜けると真夏でも昼寝が出来るくらい気持ちが良いのです。
お試しする値打ちありますよ。

敷地が南面に大きく開いている土地であれば計画は簡単ではありますが、3方が建物に
囲まれている場合は、うまく陽の光が入ってくるような工夫が必要です。
具体的には、中庭なんかが効果的ですね。 また、ハイサイドライト(高い位置に設けられた窓)
等は私はよく使います。
あとはトップライトですかね。 雨漏りの心配がありますのであまり使いたくないのですが、
どうしても欲しい場合は採用します。ただし、取り付ける屋根の方向は北面が良いです。
南面に取り付けると暑くて適いませんから。

次は、風が家全体を通り抜ける計画かどうかですね。

家全体を風が通り抜けてくれるという事は、澱んだ場所がなく家自体も健康になります。
また、風の吹く方向は建築場所によっても異なります。 ここ奈良盆地では、山から吹き
下ろしてくる西風が強いのですが、その風が通り抜けるには、風のの入口と出口を作る
必要があります。

空気の流れは、入口と出口で決まります。
また、出入り口を上下に分けて高低差を作るといった方法も有効です。そうすることで
熱の交換も可能になりますから。

個室ばかりが繋がっている間取りは、風は抜け難い構造なのですね。

 

5. 明るい所と暗い所、開放的な所と閉鎖的な所がありますか

住いには明るい空間はとても大切です。 でも、明るさの必要でない場所もあります。
家全部が明るい空間と言うのはとても落ち着かない空間でもあります。
例えばガラス張りの家はどこにいても落ち着きませんよね。

また、開放的な空間は気持ちイイです。 その為に天井の高い部屋が求められがち
になります、 しかし、実は天井が低い方が視覚的に空間の広がりは大きく見える
もののです。

また、閉鎖的な空間は気持ちを落ち着かせてくれます。 ほら、ちょうど自分が収まる
ような穴は落ち着くじゃないですか。

人の暮らす空間は、すべてが明るく開放的である必要はありません。
程よい暗いスペースや閉鎖的な部分がある家の方が落ち着くものなのです。

 

6. 家の中の建具はすべて引き戸になっていますか

建具を計画するにおいて、ドアを設置するのは軌跡のスペースが無駄になります。

また、ドアによって危険を回避する事もあります。
例えば浴室に取り付けられたドアの場合、もし中で倒れてしまうと身体が障害に
なってドアを空ける事さえ出来ないケースがあります。

最近では玄関ドア前に置き配の荷物があるために、家から出られなくなったという
ケースもありました。

設置が可能であれば引き戸にこだわって頂く方が良いと思います。
奈の町では、出入りの建具は基本的に引き戸が原則です。

 

7. 在宅ワークも含めた一人になれるスペースはありますか

2020年にはコロナによる在宅ワークが当たり前になりました。
現在は自宅にも在宅ワークの出来る空間が求められていますね。

それ以前でも奈の町では、要望だけでなく一人になれる空間や癒しの空間として
こういったスペースを住まいに取り入れてきました。

こういったスペースは在宅ワークのスペースと言うだけでなく、家族のちょっとした
遊びのコーナーとして愉しむことが出来ると思います。

実例もありますのでご紹介します。

実例1
この住まいは自宅でも仕事ができるスペースとしてそのコーナーを作りました。

キッチンの隣りにあるのですが、床も1段下げて天井の低いコンパクトなスペース
ですが、チェアーに座ると全ての資料が手の届く場所にある様に作られています。

そして、広いデスクの前には東向きの明るい窓があり、外の景色を感じながら
仕事ができる、そんなスペースになっています。

間取りのチェック方法11選

 

実例2
この空間は、正に籠り部屋と言いましょうか。 廊下の床から少し上がった壁に
穴が空いており、ここから潜りこみます。

奥は1人でいるには十分すぎる広さがあり、読書にふける事も出来ますし、デスク
に向かって仕事も出来る空間です。

デスクの前は開口部を採り、視線の向こうには明るい外の景色が見える様に
計画しています。

間取りのチェック方法11選

 

8. 玄関周りに外部兼用の収納はありますか

室内にある収納とは別に玄関部、又は半屋外に収納するアイテムがあります。

例えばアウトドア用品、箒や塵取り、ストーブの薪やペレット、スノボやスキー用品、
農機具、そして自転車など、雨風さえ防ぐことが出来ればよい物は以外に数多く
あるものです。

また、米やゴルフバッグ、ベビーカー等は室内と室外の中間的な場所に収納したい
ものですね。

奈の町ではアウト道用品や野菜の洗い場、自転車置き場など面白い収納を制作
してきましたのでご紹介します。

実例1
前が畑になっているので、収穫した野菜を洗える場所、そして屋外用の洗濯機を
設置するスペースとして設計しました。

ここは勝手口の前に屋根を掛けて、目隠し兼用の壁にシンクと洗濯機置き場を
創りました。

屋外ではありますが、雨に濡れたり直射日光が無いので暑さも遮ってれるスペース
になります。 勿論雨の日の洗濯物干場にも早変わりします。

 

実例2
実例1の大型タイプと言えば分かり易いでしょうか。
広いスペースには自転車が収納しており、通勤.通学時に傘をさしたまま濡れずに出て
行くことが出来ます。

また、屋根も一回り大きくすることで、雨の日は車を横付けすれば車からの出入りは
濡れることもありません。

間取りのチェック方法11選

 

 

9. 将来の事を考えられていますか

他の記事にもお話していますが、小さな子供さんがいる家族の場合、家を建てて
20年から25年もすれば子供達は独立して家を出て行きます。
家の耐久性を考えれば、その後夫婦二人でいる時間の方がはるかに長い事を
知っていますか。

また、二世帯住宅(独立型)の場合、やはり同じ様に両親が亡くなれば1住戸の空間が
空いてきます。 1階2階と分けられた二世帯住宅であれば、両親がいなくなる頃は
子世帯も高齢になっており、2階から降りてくる事も考えるようになります。

住いを計画する際は、将来の自分達を想定して考える必要があるのです。

例えば広い家なら、将来のリフォーム(減築)計画も含めて考えておく事。 また、
高齢になった自分たちが暮らすスペースはどこかも初めに考えておく。
他には親を引き取った場合に増築するスペースとその動線を考えておく等
建てる前に考える事は大切なのです。

 

10. 敷地の良いところを生かしていますか

設計者は土地をみて、その特性を読むのが得意です。
日の当たり方、風の通り道、視線の抜け、隣家の建物などをしっかり見て、その土地の
生かせる計画を考えます。

例え閉塞的な土地であっても何か特徴を見出せるものを見つけるか、内部にそういった
空間をつくるのか、設計者によって異なりますが考えるのが好きなタイプです。

見晴らしの良い土地なら誰でも見晴らしの生かせる計画はできます。
しかし、建物に囲まれている土地であってもその中で生かせるポイントを探します。

敷地の良い所を見つけてそれを生かすのも設計者の能力だ思っているのです。

事例1
この敷地は3方が住宅に囲まれた土地でした。 その中で隣家の平家部分の上を
視線の抜けとして取り込みました。

写真は隣家の屋根、日本瓦の向こうに中庭の松がその枝を覗かせています。
室内では吹き抜けの廊下から見える景色ですが、視線が抜けるだけでなく、
ここから降り注ぐ陽の光も1階の採光に役立っています。

間取りのチェック方法11選

 

これも同じ住宅ですが、土地を見て一番奥、それも出来るだけ上空からみた景色に
心奪われました。 向こうに山と神社が見えています。
ココを見て時間を忘れるような心落ち着く空間をラウンジとして提案しました。

間取りのチェック方法11選

 

 

事例2
この建物は建て替えでした。 現地を見て、北西に広がる田園風景とその向こうにある
桜並木の堤防に心奪われました。 以前の建物にはこちらに向く窓はありません。

ぜひ、この桜の並木を観て暮らせる部屋を創りたいと考えました。
この部屋は、中2階にあり、下を歩く人との視線を外し、遠くの景色がパノラマのように
広がる様にコーナーを使って設計しています。

間取りのチェック方法11選

 

 

事例3
この敷地は南北に細長い形状で、隣地に果樹畑、そしてもう1面には大きな桜の木が
数本立っていました。 写真の一つは玄関ですが、果樹畑の緑が目に入るよう、上部をカットして、下部を板塀で切り取る事で、玄関から常に緑が目に入る様になっています。

また、右手の写真は、大きな桜の花を真近で見ながらアフタヌーンティーが飲めるコンサバ
トリーを設置しました。 窓から見える景色は鳥の視線に近いものでとっても気持ち良い
空間になります。

間取りのチェック方法11選

 

 

 

11. 窓を開けると隣家の人と目を合わせる計画ではないですか

窓を開けると隣の人と目が合ってしまう。
建物を建て始めて気づく事の多い困った問題です。

解消方法は一つ。 計画段階から隣家の窓の位置を調査しておく必要があります。
後で目隠しするのはちょっと嫌ですものね。

 

以上が11選。
長くなりましたがご紹介致しました。

 

 

実はこのチェック、計画する場合の基本でもあります。

チェックと書かれていますが、
これは反対に設計者がプランニングする際のチェック項目にもなります。
住まい手さんだけの話でもないのですね。
少なくとも、私が長い経験の中でプランの際、気を付けてきた項目でもあります。

設計者の計画の基本が、裏を返せば住まい手さんのチェック項目になるのですね。

また、この項目ですが、すべての項目がOKでないといけない訳ではなく、ケースによって
必要なものを選べばよいのです。

項目自体はまだありますが、とりあえずこれ位チェックすれば良いんじゃないかと思います

 

この項目に含めなかったもの

この項目には家相的な話は致しません。
あくまで設計者としての暮らし易い住まいとして話します。

家相にこだわるのはご自由です。 私も住まい手さんの希望あれば取り入れたプランを
作成します。 しかし、家相が主体になると暮らし易さは歪になる場合があります。

ご自身の納得できる範囲で採用して下さい。

外部周りについては別の回に書きたいと思っています

特に軒の深さと、窓の庇、水切りの処理について。
雨漏りのし易い屋根について
住宅の広さの事など、機会があればお話したいと思います。

 

 

まとめ

間取りのチェック項目11選

1. 自分たちの想いがしっかり取り入れられていますか
2. 家事動線は使いやすいですか?
3. 道路に面する玄関ドアを開けると家の中が見えないですか
4. 陽の光が入り、風が家の中を通り抜ける計画でしょうか。
5. 明るい所と暗い所、開放的な所と閉鎖的な所がありますか
6. 家の中の建具はすべて引き戸になっていますか
7. 在宅ワークも含めた一人になれるスペースはありますか
8. 玄関周りに外部兼用の収納はありますか
9. 将来の事を考えられていますか
10. 敷地の良いところを生かしていますか
11. 窓を開けると隣家の人と目を合わせる計画ではないですか

以上で今回の話は終わりたいと思います。

長い話、お付き合いいただきありがとうございました。

浅野勝義/奈の町

 

 

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外部リンク

住いの設計 奈の町
土地・中古住宅探しのお手伝い ナラスミカ

住宅コンサルティング さあ、住いの話をしましょうか

内部リンク

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