想いをカタチにする家づくり
これから家づくりをする方に、家づくりの注意ポイントをお伝えしたいと思います。
住まい手さん主体でお話ししたいと思いますので、進め方や考え方等を知って頂くだ けで
家づくりの見方が変わると思います。
このお話が、愉しい家づくりのお手伝いになると嬉しいです。
こんな話はありませんか?
家を設計して建ててもらったのだけれど、出来上がってみると、
「イメージが違う。。。」
と、今更言われても…ねぇ。
こんな事にならない為にはどうするか?
これからその話をしたいと思います。
要望書の理解について、奈の町を例にして話をします。
奈の町では要望の一つ一つを詳しくその理由を聞かせていただきます。
奈の町を例にしてお話を致します。
想いを汲み取る作業として、住まい手がどういう暮らしをしたいのか、
それを理解します。
実際にしたいことではなく、知りたいのは暮らし方です。
(この話は第1回想いの伝え方でお話しました)
家事の事や、暮らしのことを聞かせていただきます。
その為に何度もお会いしてお話をお聞きします。
何気ない暮らしの中に考え方や想いを見つける事が出来るのです。
お住まいに直接伺って家の中を見せていただく事もありました。
具体的にお聞きすることは、
1.家族のプロフィールは勿論、家事の担当やその動線等。
2.玄関での靴の様子、所有する靴の数、鍵の収納場所、宅廃物の大きさと郵便物の量。
3.寝室はベッドか布団なのか、洗面所で頭を洗うかどうか、洗濯の回数、
アイロン掛けの場所、寝間着等の収納場所。
4.夏冬の電気・ガスの光熱費、窓の開閉があるかどうか、来客の頻度、泊りはあるか
5.子供たちの家出の生活・学習・遊び・ベッド
6.趣味のこと・・・以前までは車が多かったのですが、昨今はロードバイクの相談が多くなりました
7.生活のリズムを聞き取る
8.持ち込み家具や電化製品のリストアップ
●部屋の寸法
●ブレーカーの数
●キッチン回りの配置
●照明
計画は、住まい手と設計者とが想いを共有出来るところまで理解を深める必要があります。
更に設計者が行う調査項目
設計側は、敷地の特徴と情報を取り入れる必要があります。
1.現地の視線の抜けや借景について周辺を見て回ります。
2.現地の日当たりや風の流れについて現地にて感じ取ります。
3.隣家の視線・・・自然を回避するために隣家の窓の位置も調査します。もちろん各階毎に調査の対象です。
4.敷地の周辺を取り込むか、塀等で遮ってしまうのかも現地で考えます。
5.玄関への進入路(アプローチ)と、家事動線(勝手口)を検討します。
6.駐車場の配置を同時に考えます。
少なくともこの程度は調べておく必要はあります。
その後、プランの提案をします。
提案のスタイルは平面図を主体に必用なら断面や立面、スケッチを付けて提案します。
以前はプランニングに3案作成して提案していましたが、結局 納得できるプランは1案、
もしくはこれをさらに展開したものになってしまう。
それ位、プランに時間を掛けて検討する事になっているのです。
出来上がってきて「イメージが違う・・・」。
この原因は、設計者と住まい手とのコミニュケーション不足であること。
意思の伝達があればこういったことは起こらない。
(設計者に技術的な問題がなければ)
もし、提案されたプランが住まい手としての想いと合致していない場合
対処法は2つ
○ 再度、時間をかけて思いを伝えたうえでプランのやり直しをして頂く。
これは訂正ではなく、始からやり直すことが前提になる。
思いが伝わっていないということは、手直しとは違うもの。
○ 設計者(設計事務所又は施工会社の設計担当者)を替える。
伝わらない設計者と話し合うより、想いを共有できる設計者に依頼すること。
提案されたプランが打ち合わせにより煮詰まってきたら、「3次元の建物イメージを設計者に求めること」をお勧めします。
3次元の建物イメージとは、具体的に
〇3Dパース
〇クラフト模型
〇VRメガネによるバーチャル体験
これらは設計者と住まい手のイメージ共有とその確認の為です。
設計者が平面だけでなく、立体的に検討して作成した計画を、平面だけでなく
立体的にイメージを伝えるには、この方法が一番分かり易いのです。
本来は、住い手が求めるものではなく、設計者が自ら作成するものですが、
計画が造り込まれていないと、3D等の提案もまた不要になる訳ですね。
提案されたものと、住い手の想いが一致すれば、「不安」が「安心」に変わります。
そうなれば後は安心して完成まで愉しみにしていただければ良いのです。
3Dパースや模型はその為にある
3Dパース
3Dパースは外観・内観にカラー付のイメージ図で、よりリアルに理解することができます。
また、インテリア(テーブル・家具・照明・内装材等)も一体で組み込むので、自分達の住まいがより分かりやすくリアルに確認することが出来るものです。
もし、提案された3Dパースで、イメージカラーや使用する素材等を変更したい場合でも、
心配ありません。
3Dパースについては、フレームが出来ておれば内装関係の変更は難しいものではありません。 また、視点の変更も可能です。
例えばキッチンに立って見えるパースや、ダイニングテーブルからの視点、また建物の全景を上空から見る事さえ簡単です。
色々な視点で作成してもらうと良いでしょう。
イメージが更に深まるはずです。
クラフト模型
クラフトボートを使って1/50スケールにあわせて各面ごとに切り取って製作する住まいの模型です。
建物のイメージが一目で分かりますし、階層毎に製作するので、各階の天井を外して全体の間取が分かります。
また、吹き抜け空間や階段を通して上下階の関係も模型だとよく分かります。
平面では分からなかった窓の位置やサイズも。模型だとパッと見ただけでその構成は理解できます。
難点は制作にはとても手間が掛かります。
ボードを一面毎にカットしてボンドで組み立てたものですので、変更は無理です。
プラン等で変更した後の模型変更は、作り直しとなります。
うちの事務所では、別途製作費を頂く事になりますのでご注意ください。
これらのツールは、住まい手さんの住まいを忠実にイメージしたものです。
これから建築に取り掛かれば、このまま実物大の大きさで出来上がります。
一生の内でそう何度も体験できることがない家づくり、是非愉しんでほしいと思います。
まとめ
1.出来上がってみるとイメージが違う・・・の原因のほとんどは、住まい手と設計者のコミニュケーション不足です。
2.住まい手の想いを共有できる設計者と家づくりをすることが大切です。
3.設計中には建物の立体イメージが出来るものの提示を求めること。
3Dや模型は、我が家のミニチュアです。 家づくりを愉しんでほしいと思います。
これらの内容が出来ていればイメージが違うなんて事にはなりませんよ。
以上で、今回は終了です。
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第2回 建物のイメージが分かる提案を伝求める
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