浅野勝義[一級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士]が住宅設計30年100件以上のスキルや経験を、建築や不動産、資金計画など発信しています。バイヤーズエージェントとしても活躍中!

中古住宅のメリット・デメリットを考えた上でのリノベーション注意点

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中古住宅のメリット・デメリットを考えた上でのリノベーション注意点
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中古住宅のメリット・デメリットを考えた上でのリノベーション注意点

 

「中古住宅を買ってリノベーションしたいのですが・・・」

そんなお話しで来られるご相談者は、中古住宅に何を求められているのか人それぞれです。。
求めているのはお安さ、地域性、オリジナル性。

今回は、中古住宅を選択する理由をメリット・デメリットから考えて、リノベーションする
場合の注意点をお話ししようと思います。
リノベーションするとお安くなるのか、ならないのか。
解説してみたいと思います。

 

中古住宅のメリット・デメリットについて

これらを検討して比較してみます。

中古住宅のメリット

1. お安く購入できる
2. 実物を確認して購入できる
3. 立地的にどこでも売りに出される可能性がある
4. DIYしたい人に向く
5. 固定資産税が安い
6. 近隣の環境を知っている

1. お安く購入できる
○築後建物の評価は年数とともに下がってゆく。
建物は税法上、22年で評価は0になる。
○古い物件は土地代のみなので、建て替えに向いている。
築22年以上の住宅は土地代のみなので、建て替え用地として探すことが出来る。
○築浅の物件は建物評価が十分残っているので価格的メリットは薄い。
築浅の建物は建物価格が高く、購入のメリットが薄い。
○空き家対策の物件はお安く購入できる可能性が高い。

2.実物を確認して購入できる。
建物がそのまま売りに出ているので、住むイメージがし易い。

3.立地的にどこでも売りに出される可能性がある。
新築住宅は限られた場所に集団で売りに出されるが、中古住宅は場所が限定される訳ではないので、買主が地域を限定して購入することが出来る。

4.DIYしたい人に向く。
住まいをDIYしたい人が増えている。 お安くなった中古住宅を購入して自分達の好きなようにDIYするには適している。

5.固定資産税が安い。
「固定資産評価額」に税率(主に1.4%)をかけて計算します。3年に一度の見直しがあるとともに固定資産評価額は下がってゆきます。 古い建物程お安くなります。

6.近隣の環境を知っている。
中古住宅は好きな地域を限定して購入が可能であるため、買主の育ってきた環境や住みたい環境を限定して購入する事ができる。

 

中古住宅のデメリット

1.耐震性が低い
2.壁や開口部の断熱性能が低い
3.設備が古く、やり替えが必要。
4.購入時に仲介手数料が掛かる。
5.築年数によっては住宅ローン控除が受けられないこともある。
6.自分たちの希望に合う特別感は薄い。
7.住宅ローンの審査は厳しい。
8.建て替えするには解体費が別に掛る
9.基礎周りの改修が難しい
10.雨漏りしている場合がある
11.シロアリ等の被害が考えられる

1.耐震性が低い。
○中古住宅を購入したまま耐震補強をせず住むパターンが多いようです。
○業者のリフォーム済物件は、耐震補強の内容が不明なので耐震性が心配。
○耐震診断と耐震補強をするには結構なコストが掛ります。

2.壁や開口部の断熱性能が低い。
○住宅性能を向上する為の改修は結構な費用が掛かる。
○古い家となるとほぼ全面やり替えになる。

3.設備が古く、やり替えが必要。
建物が古くなるとキッチンや洗面台等の設備機器だけでなく、その配管廻りも古いためリフォーム時に配管のやり替えをすることもあります。

4.購入時に仲介手数料が掛かる
中古住宅は仲介物件であるために不動産仲介での仲介手数料が掛かります。

5.築年数によっては住宅ローン控除が受けられないこともある。
住宅ローン控除は中古住宅でも受けることは可能です。 その条件は中古住宅にあっては
○建築された日から購入の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物(注)については25年)以内であること。また、この期間を越えていても、耐震基準適合証明書又は建設住宅性能評価書又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入があれば可能。
○「耐震基準適合証明書」と「建設住宅性能評価書」は、住宅の購入から遡って2年以内に証明されているもの。

6.自分たちの希望に合う特別感は薄い。
中古住宅は自分達が要望したプランではない為、家族の暮らし方に合ってない場合が多いので、どうしても自分達の為に造った特別感は少ないです。 しかし、中古住宅の中には違う意味での特別感を持つ家もあります。 こういう家に出逢う可能性もあるのが中古住宅の良さでもあるのでしょう。

7.住宅ローンの審査は厳しい。
中古住宅は築年数が経っているものが多く、どうしても建物の担保評価は低くなります。その分、審査も厳しくなってしまいます。 住宅ローンについては、中古住宅購入+リフォーム一体型ローンとなりますので、ローンを組む前にリフォーム費用を先に出しておく必要があります。 その為にはリフォームの計画と施工会社からの見積もりが必要です。
また、注意すべき点として、リフォームローン(無担保ローン)の融資枠は、だいたいどの銀行でも最大1000万、良くて1500万が上限であり、全面的なリフォームをするには予算不足なる恐れがあります。 その上、融資期間も最大15年迄であり、金利も4%近いとなりますので新築とは勝手が異なります。(すでに借りている住宅ローンに重ねて融資を受ける場合と中古住宅購入+リフォーム住宅ローンの場合は条件が少し変わります)
今までの経験でも、リフォームする方の殆どは現金にて工事をされているのが多いです。

8.建て替えするには解体費が別に掛る。
中古住宅を新築住宅の建て替え地として購入するには、別途解体費が掛かってしまいます。 建物評価が”0″であったとしても現状建物がありますので、解体をする必要があります。また、少額ではありますが登記費用としても滅失登記が必要になります。

9.基礎周りの改修が難しい。
2000年4月以前の建物は、地盤の調査を必要としていないので、地盤が軟弱な場合が考えられます。 敷地の地盤が軟弱な場合は、既に建物が建っている地盤の改良は出来ない事があげられます。また、床下周り、特に基礎の補修には費用が掛かります。その為、改修しないケースもあります。

10.雨漏りをしている場合がある。
中古住宅で気が付かないのが雨漏りです。 以前雨漏りのあったもので、改修後雨漏りがなければ良いのですが、隠れた部分で雨漏りを起していると建物の構造を継続的に痛めるだけでなく、雨漏りの原因特定と完全補修はとても難しいのです。屋根を葺きなおした方が良いのではないかと感じるくらい難しいものなのです。

11.シロアリ等の被害が考えられる。
中古住宅を改修する場合、大抵の家にはシロアリの後が見つかります。 既にいないものであればよいのですが、進行中の場合もありますのでその辺りは改修時にしっかりと対処・駆除しておく事が必要です。

 

中古住宅を買ってリノベーションする場合の注意点

中古住宅を買って改修する場合には注意するポイントがあります。 改修する項目は結構な数がある事が考えられますが、建物の状態により必要のないものもありますので、調査の上(住宅診断)で必要な部分の改善を行なうのをお勧めします。

1. 耐震診断をして耐震補強を必ず行う。
建築時期と階数により耐震性の安全度合いは異なります。 正確な耐震診断をした上で、リノベーション計画に対しての必要な耐震補強を行います。

2. 開口部の断熱・気密性を上げる。
中古住宅の開口部は、簡単な木製建具であったり、旧式のアルミサッシである事が多く、使われているガラスも単層ガラスである事が殆どです。 これでは断熱・気密性は殆ど期待できる性能が確保できない為、断熱性と気密性に優れたサッシへと交換又は追加する必要があります。 しかし、外部のサッシを取り換えるには窓周りの外壁も一部削る必要がありますので、外部サッシ全体となると外壁のやり替えも視野に入ります。最小限でリノベーションを考えるのであればインナーサッシを採用するのが現実的ではないかと思われます。

3. 床・壁・天井の断熱性が低いので断熱材を全面に充填します。
床下及び外壁、そして屋根又は天井部と居室部分を囲むすべての面において断熱性能を上げる必要があります。 開口部の補修と同時に行うのが良いのですが、建物全体の改修になってしまうのが難点です。 費用は掛かりますが、費用対効果は絶大です。

4. 急な階段を緩勾配の階段へ架け替えする。
中古住宅はどうしても急勾配の階段である事が多いです。 高齢者対応を意識しなくとも階段の危険性を考えれば少なくとも45度以下の緩い階段に変更することをお勧めします。 昇り降りし易い階段寸法に作り替えるのがベストです。

5. 床の段差を出来るだけ無い様に改修する。
床の段差で一番気になるのは、ドアや引き違い戸の敷居・沓摺の出っ張りです。これを取り外して床をフラットにしましょう。 また、和室と洋室の段差も気になる改修ポイントです。床下を全面やり替えになる場合もありますが、実際やってみますと床の下地はかなり傷んでいるケースが見受けられます。可能であれば床下はやり替えをお勧めします。

6. 屋根の耐久性が低い場合は屋根の葺き替えが必要になる。
中古住宅の問題点の一つが大屋根の耐久性です。 購入時には既に何十年と経過しているので今後の耐久性に不安があります。 葺き替えするのがお勧めですが、予算がかなり掛かりますので今回屋根の葺き替えが出来ないのであれば、10年又はそれ以降に葺き替えの予算を貯めておいて2期工事として行うのが良いでしょう。

7. 雨漏りがある場合は、必ず原因と改修を行う。
中古住宅ですでに雨漏りを起こしいている住宅を購入するのは考え物だと思います。 雨漏りは原因を突き止める事がとても難しく、完全に止水するには長い年月と費用、そして精神的負担が掛かると思っておいてください。 購入検討段階で複雑な屋根をしている建物や屋根に谷がある建物は雨漏りを疑った方が良いと思います。

8. 給排水関係の配管をやり替える必要がある。
中古住宅の改修時に手を入れないといけない場所として、給排水管のやり替えがあります。 リノベーションと共に設備機器の配置も変わりますし、以前の配管も古くなっている事から、配管廻りは交換する必要があると思っておいてください。

最後に、リフォームローンについてもお話ししておきます。
銀行のリフォームローン(無担保ローン)ですが、融資の最大で1000万程度が上限であることが多く、改修範囲から考えてもかなりの予算がオーバーします。
その為にもリフォームをお考えの方は、自己資金を十分用意する必要があります。 担保設定が可能であれば融資機関とご相談ください。

 

 

 

まとめ

 

○中古住宅を選ぶ理由はお安さ(手頃感を含む)だと思っていましたが、それだけではなく、物件の近隣環境を知っていることも購入の決め手の一つです。 育ってきた環境の近くであれば安心して住むことが出来ると言う事ですね。

○中古住宅を購入後リフォームするかしないかの割合は約半分がそのまま住んでいるとの事。それならばお安く購入する理由が成り立ちます。

○購入を検討する場合は、既存建物の調査又は買主からのインスペクションを受けることで、ある程度の建物の状態を確認して購入する事が可能です。

○リフォームの改修はとてもお金が掛かります。
実はこの事を知らずに購入する方が多いのも事実です。 外観はきれいでも経年劣化をしている上に、雨漏りやシロアリ等の発生で建物はかなり傷んでいる可能性があります。 また、大きな地震に対する安全性にも対処する必要があります。
私の周りの方でも中古住宅の購入について、こういった問題を気にしない方がいますが、購入後の修理等で思いがけない費用が要ることもありますので、それらを理解した上で購入して下さい。

 

外部リンク

不動産の仲介は、ナラスミカ
設計は、奈の町

内部リンク

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